羽川豊の全英オープン生レポート/スコアは伸びていますが、優勝スコアは2桁までは行かないかな・・・
8年前、1999年のカーヌスティを覚えている方も多いと思いますが、今回のカーヌスティはあの時とは違うコースのようです。以前のラフがほとんど刈られた状態ですから、前回の優勝スコア、6オーバーという次元ではなくなりました。
私は本日の放送で「優勝スコアが2桁アンダーになるかもしれない」と申し上げましたが、1桁アンダーでの優勝になるような気がしてきました。1日2アンダーずつ、4日間伸ばして8アンダーくらいが優勝スコアになるのではないでしょうか。あとは気象条件しだいですが、このまま悪条件にならなければ2桁まで伸びる可能性も多少はあります。
そういう意味でも、今日2アンダーでラウンドしたタイガー・ウッズには充分優勝の可能性があります。今日タイガーのラウンドを見て一番感じたのは、プレーぶりが落ち着いているところです。それは、父親になったからなのかも知れませんし、ショットに自信があるからなのでしょうか。
スコアだけ見れば安定した内容に見えますが、不安な要素もあります。5番、8番、9番ホールでアイアンショットを打った瞬間にクラブから手を放していました。これは、フェードでグリーンを狙ったのですが、思った以上にフェイスがかぶってしまい、左サイドに引っ張るようなスイングになっています。
「全米オープン」最終日、9番の2打目から続いている仕草なのですが、このようなショットが出てしまうと方向性が安定しないので、スコアメイクに苦しむことになるかもしれません。ただし、パッティングの調子は悪くないので、大きく崩れることはないと思います。
日本人選手はみんな頑張っていました。スコアこそ伸ばせませんでしたが、伊澤利光選手や近藤智弘選手も良いゴルフをしていました。伊澤選手は9番でラッキーバウンドもあり、それまでの4オーバーから流れを変えました。イーブンパーでラウンドした佐藤えいち選手や谷口徹選手、谷原秀人選手もラフが長くなかったのでスコアをまとめられたのだと思います。伊澤選手と同じくボギーが先行しながらも3オーバーで耐えた武藤俊憲選手など、この中で1人でも多く決勝ラウンドに進出してもらいたいですね。
羽川豊 (はがわ ゆたか)
セントラルスポーツ所属。栃木県出身。専修大学時代に朝日杯全日本学生選手権4連覇。ツアー通算5勝。1982年「マスターズ」15位タイなど。現在は自身のゴルフサロン「HAGAWA YUTAKA GOLF SALON」でレッスンを行っている。
今回、全英オープンにはテレビ朝日のレポーターとして現地入り。タイガー・ウッズや上位選手の詳細情報はテレビでもお楽しみください!