今日のタイガー/7番までにスコア伸ばせば・・・8打差あるがまだ諦めない!!
2007年全英オープン選手権、折り返し地点となる36ホール終了時で、トップを走るセルヒオ・ガルシア(スペイン)とは7打差を追いかけるタイガー・ウッズ。午後12時15分に3日目のティオフ。この日のペアリングは欧州ツアーを主戦場となするオーストリアのマーカス・ブリアー。昨夜の天気予報だと雨と強い風ということだったが、大会3日目に降った雨量は少しだけに落ち着いていた。気温は10度から12度前後。風は北東の方向から吹くという状況のなか選手はプレーを展開した。
タイガーの3日目、フロントナインは3バーディ、1ボギーの「34」。バックナインは1バーディ、1ボギーの「35」。この日は2アンダーパーの「69」とスコアを伸ばし【69-74-69=212】は通算1アンダー。残りは最終日の18ホールのみとなる。前日20位だったタイガーの順位は15位へと上昇。現時点でトーナメントリーダーのガルシアとは8打差がついているがタイガーは明日どこまでスコアを伸ばせるかに期待がかかる。
昨日いきなりティショットでOBを打ってしまい、ダブルボギースタートとなった1番ホールを無難にパースタートとしたタイガーだったが、2番ホールで3パットのボギーを叩いてしまう。ピン右17メートルから1.8メートルほどのパーパットを残していたが、この短いパットを左に引っ掛けてしまいボギー。タイガーは焦らずに次のチャンスを待っていた。
4番パー4では右サイドにあるピンに対し、左サイドに乗せただけ。2番で3パットを喫しているだろうからここもかなり難しいと思っていたらこの超ロングパットを1発で決めてバーディ。続く5番と7番でもアイアンで放ったセカンドショットはピンにいまひとつ絡まなかったが、ここでもロングパットを2回ねじ込み通算スコアを1アンダーと上昇させた。
コースで一番難しい18番に次ぎ2番目にパーセーブをしにくいデータが残っていた10番ではティショットで左バンカー。2打目はグリーン手前までうまく前進させてきたがここからミスを犯してしまう。グリーンの外からパターを選択したタイガーは3打目を大きくピンをオーバーさせてしまいボギー。14番のパー5は平均ストロークが「4.6」という比較的バーディを取り易いホールで、ティショットを大きく右に曲げてしまう。ギャラリーがたくさん歩いているギャラリーエリアにボールは止まっていて2打目はグリーンまで240ヤード地点。2オンは成功しなかったが3オン1パットのバーディを奪いスコアをまたイーブンに戻した。
大会3日目といえば「ムービングデー」と呼ばれ積極的に攻めて順位を上げてくる日となる。タイガーと同じ20位でスタートしたスティーブ・ストリッカーが「64」で回り2位まで順位を上げてきたり、クリス・ディマルコも「66」で3位までジャンプアップしてきていた。そんな中タイガーは順位こそ上げてきたものの、ショットの切れがいまひとつだった。しかし「かっこよさ」を捨ててスコアメークに徹し、60台のスコアをしっかり出せるところは流石といえるだろう。
右サイドにプッシュアウトという悪い結果のときのスイングはダウンスイングでフェースがシャット(閉じ気味)になっている分、インパクトゾーンでクラブが自然に降りてこずに体を余計に使っていた。その影響で左肩が上がりすぎて、頭が後ろに残ってしまう悪い癖は長いクラブだけでなく、アイアンショットでも多く見られた。明日の午後までにこれを修正できないと3連覇の道は開けてこないだろう。幸いリーダーボード上位にいる選手はメジャー優勝経験がない選手が多く、明日スコアを落とすということも十分考えられる。
プレー後のインタビューでは明日は7番ホールまでにしっかりスコアを伸ばして行く必要があると話していた。明日は午後から大量の雨が降る可能性がある予報も出ている。前回カーヌスティ開催となった1999年、ポール・ローリーが10打差を追いつきプレーオフの末全英制覇となったが、今回の最終日のドラマはどんな結末を迎えるのだろうか?この2日のタイガーの内容を見ていると逆転の可能性は低いと予想されるだろうが、たとえ1%の可能性でも可能性がある限りあきらめずに戦い続ける姿勢を持つタイガーの「目」を見ているとその可能性に賭けてみたくなる。
★ラウンドデータ
・スコア:69(34-35)2アンダー
・バーディ:4ホール
・パー:12ホール
・ボギー:2ホール
・ウェアウェイキープ率:60.0%(15ホール中9ホール)
・パーオン率:72.2%(18ホール中13ホール)
・ラウンドパット数:29パット
1パットホール:8回
2パットホール:9回
3パットホール:1回
・ドライバー距離(計測2ホール平均):309.0ヤード
・パー3:通算イーブンパー
・パー4:通算1アンダー
・パー5:通算1アンダー
(解説:アンディー和田)