今日のタイガー/昨年とは180度違う気持ちで挑む「全英」3連覇!グリーン上がカギを握る
昨年、英国リバプールで行われたロイヤル・リバプール(ホイレイク)では、ドライバーをほとんど封印して2番アイアンを武器に安定したゴルフを展開したタイガー・ウッズは、2000年、2005年に続き3度目の全英制覇となった。昨年は72ホールを戦い終えた後、2ヶ月前に他界した父アールさんのことを想いグリーン上で号泣するシーンも見られたが、今年は「全米オープン」終了後の翌日に待望の第一子サム・アレクシスちゃんの誕生ということで昨年とは180度違う気持ちで大会に挑むことになる。
今シーズンのメジャー戦は3日目を終わって2位、最終日は最終組を経験していながらも「マスターズ」では2打差、「全米オープン」では1打差といずれも悔しい惜敗の2位で終わっている。これまでタイガーが記録したメジャー12勝は、すべて3日目のリードをキープしての逃げ切り優勝。「タイガーは逆転でメジャー優勝できないのか?」というマスコミのジンクスを一蹴するような活躍を見せるのか、それとも昨年のリバプールで見せたようにリードをキープするのだろうか!?
先月の「全米オープン」では、大会初日から妻のエリンさんは「病院で出産前の時間を過ごしていた」と先週タイガー自身がホストとなり参戦した「AT&Tナショナル」大会前のインタビューで語っていた。今回はしっかりゴルフだけに集中してくることができるだろう。毎年タイガーは「全英オープン」前にはシカゴで行われる「ウエスタンオープン」に参戦するが、今シーズンはFEDEXカップの影響でシカゴの大会「BMW選手権」は9月開催となっている。
ホスト役も務めたワシントンDC開催「AT&Tナショナル」では4日間で17個のバーディを奪取しながらも13個のボギーとダブルボギー1個と出入りが激しく優勝した崔京周には7打差及ばず6位で終了。大会終了後のインタビューでは「ショットの内容は良かったけど少し遅いグリーンに対応できずにスコアを伸ばすことができなかった」と語っていた。大会会場となったコングレッショナルCCは「全米オープン」タイプのコースなので、全英の準備にはなっていないとも話していたタイガー。従来は「全英オープン」前にはアイルランドに行きリンクスコースの練習を行うのだが、今年はまだ生後1ヶ月となるサム・アレクシスちゃんが飛行機に乗って英国に行くことはできないので、一緒に居る時間を優先してアイルランドでのリンクス練習はしないと話していた。
今年の「全英オープン」はスコットランドのカーヌスティゴルフリンクスでの開催となる。前回開催となった1999年では、ラフは深く風も強く、全英開催コースの中でも一番タフだといわれている。99年大会でのタイガーは、週末にバーディを1個しかとることができずにプレーオフとなった優勝スコアの6オーバーに4打足らず、10オーバーの7位で終了している。タイガーは1996年の秋にプロデビューしてから、いきなり1997年に「マスターズ」でのプロ初メジャー戦で優勝を飾ってから進化を続け、2000年と昨年2006年にピークを迎えているといわれている。進化したタイガーがその難しいカーヌスティをどう攻略していくかが楽しみだ。1999年大会のビデオをみてコースを研究しているというタイガー。ショットやアプローチの完成度が昨シーズンから好調なだけに、鍵を握るのはグリーン上のスピードのタッチとなるような気がする。
【タイガー・ウッズの過去全英オープン成績】
年 会場/成績/スコア/パーに対して/獲得賞金
2007年 カーヌスティー/-/-/-/-
2006年 ロイヤル リバプール/優勝/270/18アンダー/72万ポンド
2005年 セントアンドリュース/優勝/274/14アンダー/72万ポンド
2004年 ロイヤル トゥルーン/9位/281/3アンダー/8万9500ポンド
2003年 ロイヤル セント ジョージス/4位/285/1オーバー/18万5000ポンド
2002年 ミュアフィールド/28位/284/イーブンパー/2万4000ポンド
2001年 ロイヤル リザム&セントアンズ/25位/283/1アンダー/2万7500ポンド
2000年 セントアンドリュース/優勝/269/19アンダー/50万ポンド
1999年 カーヌスティー/7位/294/10オーバー/5万ポンド
1998年 ロイヤル バークデール/3位/281/1オーバー/13万5000ポンド
1997年 ロイヤル トゥルーン/24位/284/イーブンパー/10万362ポンド
1996年 アマチュア/ロイヤル リザム&セントアンズ/22位/281/3アンダー/賞金なし(アマチュア)
1995年 アマチュア/セントアンドリュース/66位/295/7オーバー/賞金なし(アマチュア)