米国男子ツアー

史上希な6人プレイオフ:2001年「ニッサン・オープン」を振り返る

2002/02/14 09:00

最終日を2位以下に3打差をつけてリードしていたデービス・ラブIII。雨の降りしきる中、残り4ホールでラブは叩きのめされていった。すでにリードを1打に縮められていた時の15番。バンカーショットをミスしたラブは、その後の3メートルのボギーパットも外し自滅。このミスのダメージはきつかったのか、16番と18番でもボギーを叩いてしまったラブは、結局(75)でホールアウト。

ラブに厳しかったバックナインも、他の選手には追い上げのチャンスを恵んだ。最終組の最終パットが入った瞬間、PGA史上希にみる、6人のプレイオフが決定した。過去に6人のプレイオフが行われたのは94年の「バイロン・ネルソン・クラシック」。この時はニール・ランカスターが最初のプレイオフホールで決着をつけた。しかし今回の6人プレイオフは雨で阻まれたパー4がやけに長く、選手たちをカップから遠ざけた。

プレイオフメンバーのひとり、ブランデル・シャンブリーはカップまで229ヤードだった。選んだクラブは3番ウッド。普段なら完璧な位置に落としたブランデル・シャンブリーだが、グリーンのカラーで一度もバウンスすることなく、かなりのショートに終わってしまった。一方、ロバート・アレンビーは223ヤードを残していた。使用クラブは同じく3番ウッド。これは見事にグリーンオン、ピンに3メートルにつけた。他の5名がバーディチャンスを作れなかった中、アレンビーはしっかりとバーディパットを打ち抜き、6人プレイオフを制した。

ロバート・アレンビー「18番の2打目は、大会初日では6番アイアンで打てていた距離だ。でもあの雨のせいで3番ウッドが必要なそれだけ過酷な状態だったんだ。自分のキャリアの中で最高の3番ウッドだったよ。」