2012年 マスターズ

【石川遼専属キャディ・加藤大幸のマスターズレポート〈1〉】

2012/04/04 13:29
石川遼の良き相棒、加藤キャディは「成績はパッティング次第」。ショット精度には太鼓判を押している。

石川遼プロのキャディを担当しています、加藤大幸と申します。今年もマスターズの季節がやってきました。4度目の出場となる今回は、この場をお借りしてオーガスタから日々のレポートをさせていただきます。短い間ですが、どうぞよろしくお願いいたします。

さて、遼のキャディバッグを担いでから、今年が5年目になりますが、状態は今が一番いいと感じています。なにしろ、僕自身が「今が一番キャディをやっているな」という感覚があるんです。

今の遼は、こっちが思った球を打ってくれます。アイアンの距離感も良くて、僕がヘンな情報与えたらもう完全にグリーンをオーバーしたりする。その分、コースは隅々まで調べなくちゃいけないことが多いし、ミスは許されません。ただ、その辺はこっちも楽しいものなんです。

今年の遼の調子の良し悪しは、パッティングだけだと思っています。パターが入っていたから、成績が良かったのが「プエルトリコオープン」。逆にパットが悪くて予選落ちしたのが「トランジションズ選手権」。そのくらい極端に言えるほど、初戦の「ソニーオープン」からショットに対しての調子の波は少ない。だからコースマネジメントはキャディをやっていて、今年が一番楽しいと思えます。一週間、パターが入れば、今の遼なら優勝争いができる力もあるはずです。

マスターズは僕にとっても、特別なトーナメントでした。ただ、今年はほとんど緊張しないし『やっていける』という感じがあります。去年までは、練習ラウンドすら、どうやったらいいか分からない時もありました。もちろん遼にも緊張した様子は見られません。去年までは練習ラウンドで緊張していたところもあったのに、今年は自信を持ってやっているようです。

オーガスタに入って、今日までの3日間、松山英樹選手と一緒に練習ラウンドをしました。これまではなかなか実現しなかったんですが、2人は仲が良いのでやっぱり楽しかったですね。

2人はコースを回りながら「今のはどういうイメージで打ったの?」といった会話をお互いに何度もするんです。自分がボールを打たないとき、ただ歩いているときでも、同じようにイメージを持って話をしているから、一人でまわるよりも勉強にもなると思います。こっちでは(池田)勇太と一緒にラウンドしたりもするので、練習でも良い経験を積める機会が多いですね。

2012年 マスターズ