タイガーはショートゲームでのミスで37位タイに終わる
54ホールを終えて通算1オーバー、38位から最終日のラウンドを始めたタイガー・ウッズは、合計5つのバーディを獲る事に成功したもののショットのミスが多かった。左右に乱れるティショットはスコアに響き、3つのボギーと1つのダブルボギーを叩いてしまう。5つのバーディが帳消しとなるイーブンパー「70」のラウンド、通算スコアは1オーバーのまま。結局優勝したアダム・スコットとは18打と大きく差が開いてしまい37位で競技を終了した。
タイガーは最初の5ホールで2バーディを奪取して好スタートをみせるが、6番で3打目のバンカーショットをミスしてしまいダブルボギー。そのあとも8番、10番、13番と3つのボギーを叩いてしまい、一時は通算4オーバーまでスコアを落としてしまう。最後は15番から17番の3連続バーディ。どうにか意地を見せて来週のPGAチャンピオンシップ(全米プロ)に向けて良い流れで復帰戦を終えた。
<ラウンド後の記者会見>
4日間のプレーを振り返って
タイガー:プレーに斑がありますね。良いショットが続いたと思えばその後にミスが重なって出てしまい、また良いショットの感触が戻って来る。今日もそんな一日でした。最初はとても良かったですが途中は全くダメでした。そして最後の方でしっくりきました。パッティングも最後で感触を掴みました。これは良い収穫です。まだ構えた時のライン取りがうまくいっていません。ショットは以前よりも意識的に曲がる幅が少なくなっていることを信じ切っていないというか、以前のイメージが抜き切れていません。現在は良いショットを打ったときにカット、ドロー両方とも曲がり幅が少ないのですが以前の大きい曲がり幅のイメージがどうしても残ってしまっています。
今日はナイキのパターでしたね?来週木曜日からはどうしますか?
タイガー:はい。今日はそうでした。来週木曜はどうするかわかりません。
今日のゴルフを振り返って
タイガー:今日はスタートからショットは良くありませんでした。しかし途中問題点をアジャストして(後半は)とても良い感じでショットが打てました。狙い通りの球、高さでした。しっかりと芯を捕らえていました。ただパッティングが良くなかったです。2度カップに蹴られたのと、18番で3パット、16番で残りサンドウエッジの距離でボギー。この4打ですよ。これは捨ててしまった感じですね。
しばらくプレーしていないということですが、FEDEXカップのプレーオフに向けてグリーンズボロの試合に出場することはありますか?
タイガー:いえ、その週はプレーする予定はありません。家族の約束があります。
4日間を戦い終えて膝の具合はいかがですか?
タイガー:膝の具合は大丈夫です。(痛みがあった)以前とは違う感じです。
細かい技術的な点、チェックポイントは?
タイガー:注意点としてアドレスの始動ポイントですね。自分自身の構えた時のライン取りを信じること。あとは以前の握り方、グリップにも注意です。前のような握り方をしてしまうと悪い癖が出てしまいます。以前ハンク(ヘイニーコーチ)とスイングを変えたときにはブッチ(ハーモンコーチ)の時の癖や習慣を変えるのに大変でした。今回もショーン(フォーリーコーチ)と試みている点をする時に以前の動きや習慣を変えないといけません。チェンジをしていく上のプロセスですから仕方ないですね。しばらく競技には出ていませんでしたから自宅で練習しているときとはやはり雰囲気が異なります。
<次週全米プロは結果を問われる戦いとなる>
タイガー・ウッズの復帰戦は試合の流れを掴むことができずに、オーバーパーで終わってしまった。週末の2ラウンドは28回のティショットで、フェアウェイを捕らえたのは僅かに9回のみと苦しんだ。今日はタイガーが記者会見で話していたように以前の悪い癖が出てしまっていた。ティショットでは切り返しからインパクト直後までに頭が一旦沈み、そして浮き上がりボールは左右に曲がっていった。左肩からも必要以上に上がってしまい大会初日とは大きく異なる動きになっていた。
今年最後のメジャー戦となるPGAチャンピオンシップ、全米プロまで準備期間は3日間しかない。
ここで問題点はフルショットに重点を置いて修正をするか?それともスコアーメイクの鍵となるショートゲームとパッティングの練習をするのかだ。現在世界ナンバーワンのルーク・ドナルドは常にフルスイングのショット練習の倍の時間を100ヤード以内のショートゲーム(アプローチ、バンカー)とパッティングの練習時間に費やすと話す。
タイガーの今週のバンカーセーブ率は16.6%。グリーンを外し比較的易しいチップショットにも以前のような切れ味は消えてしまっている。今日のプレーの流れを止めてしまったのは6番のダブルボギー。3打目のバンカーショットは右足がダウンスイングでずれてしまいミスになったが4打目のショットも酷かった。この4日間で以前数々の場面で見せたグリーンの外からのチップインなども全くなかった。
今週は72ホールで11個のボギー、2個のダブルボギーと14個のバーディをすべて帳消しにしてしまった。現在のスイング指導するショーン・フォーリー氏が初めてタイガーにアドバイスをしたのが昨年の8月9日。ちょうど一年前になる。フルショットだけではなくショートゲーム&パッティングの部分の向上がないとタイガーが優勝争いに絡む事はないだろう。来週しっかりと結果を残さないとFEDEXカップのプレーオフ4試合に進む事ができずに2011年PGAシーズンを早々に敗退終了・・というシナリオもある。来週は結果を問われる大事な1週間となる。
<ラウンドデータ>
通算68-71-72-70=271(1オーバー)
最終日70(イーブンパー)
フロントナイン36(1オーバー)
バックナイン34(1アンダー)
・バーディ:5ホール
・パー:9ホール
・ボギー:3ホール
・ダブルボギー:1ホール
・パー3:通算2アンダー
・パー4:通算4オーバー
・パー5:通算2アンダー
・フェアウェイキープ率:35.71%(14ホール中5ホール)
・パーオン率:61.11%(18ホール中11ホール)
・合計パット数:28パット
・平均パット数(パーオンホールのみ):1.636パット
・バンカーセーブ:1回中0回1パットセーブ(0%)
(今週は6回トライして1パットセーブが1回のみ--16.66%)
・ドライビングディスタンス(計測指定ホール2番309ヤード、16番336ヤード)
2ホール平均322.5ヤード