松山英樹がマスターズへ向け出国
日本人アマとして初めてマスターズに出場する松山英樹が24日夜、羽田空港から米国ロサンゼルスに向けて出国。出発直前に集まった記者達の質問に答え、その意気込みを語った。
3月20日にオーストラリア合宿から帰国した松山は、東北地方太平洋沖地震の被害を知り、マスターズ出場に躊躇するそぶりも見せた。同日夜仙台に戻り、翌朝改めて目にした惨状は「凄いとしかいいようがない」と振り返る。「寮の部屋はぐちゃぐちゃだったし、道路もでこぼこ。それに帰って2~3日は余震も沢山あって…」。同校ゴルフ部の阿部監督も、「食堂もコンビニも開いていないし、食事はカップラーメンと缶詰、梅干、あとはごはんしかない」と、想像を超える窮状に口をつぐんだ。
その一方で、朝から学校には電話やメール、FAXが殺到していた。前日の松山のマスターズ出場辞退を巡る報道を受けて、応援や叱咤激励のメッセージが大量に届けられた。出場に対する否定的な意見は一切無し。「ここまで応援されていると思わなくて感動したし、頑張っていこうと思いました」と松山。「辞退というより、出ていいのかな」という迷いは一気に吹き飛んだ。
空港には、届けられたメールやFAXをプリントアウトして持参した松山。アマチュアとして初めてマスターズに出場する松山にとって、東北地方の大勢の被災者の想いを背負うことは容易ではないはずだ。マスターズに向けた目標は立てずに、「今持っている力を全力で出し切ることしか考えていません」と、静かに語った。
この日、米国へ向けて出国した松山は数日間ロサンゼルスに滞在。その後、29日にアトランタへと移動して、大学の先輩・池田勇太と合流して練習を重ね、4月1日午後にオーガスタに入るという。4日(月)の15時には公式記者会見が設定されており、さらにその日の晩はアマチュアディナーに招待されている。同日は大会に出場するアマチュアのみに開放されているクラブハウスのロッヂ(クローズネスト)に宿泊するという予定という松山は、「めっちゃ緊張しますね」と19歳らしく白い歯を見せた。