【GDOEYE】アマチュア世界NO1は老舗ブランド会長の御曹司
フロリダ州ウェスティンイニスブルックリゾートで行われた「トランジションズ選手権」。今大会で注目を集めたのが米国出身の新星、ピーター・ユーラインだ。
同選手は今大会に出場した、ただ一人のアマチュアながら見事予選を通過。20日(日)の最終日は4バーディ、3ボギー、1ダブルボギーの「72」で通算1アンダー、57位タイに終わったが、大きな拍手を浴びてホールアウトした。
このピーター選手、何を隠そうタイトリスト、フットジョイなどのブランドを抱えるアクシネット社のCEO兼会長ウォーリー・ユーライン氏の実の息子。1989年8月29日生まれの21歳は現在、オクラホマ州立大学の3年生。同大を中退してプロ転向したリッキー・ファウラーの1つ年下にあたる。
マサチューセッツ州ニューベッドフォードで生まれたピーターは、もちろん家族の影響で小さなころからプラスチックのクラブを握り、自然にゴルフと触れ合っていた。メジャーリーグのボストン・レッドソックスのファンで、野球選手という夢もあったが、徐々にプロゴルファーへのあこがれが強くなったという。
13歳の時。厳しい冬が訪れるマサチューセッツでゴルフに打ち込むことは難しいと考えたピーターは、父親の下を離れ、母親とともにフロリダ州に移り住み、レッドベター・アカデミーで鍛錬を積んだ。当時住んでいたブラデントンは今大会が行われたイニスブルックリゾートから車で40分ほどの土地で、以前から慣れ親しんだコースだったという。
その後、数々のアマチュアタイトルを手にしたピーターは、アマチュア世界ランキングでは長らく1位の座をキープ。昨年8月の「全米アマチュア選手権」を制し、4月の「マスターズ」出場権を獲得した。
「マスターズ」では前年度覇者と全米アマ王者が予選ラウンドを同組で戦うことが慣例となっており、フィル・ミケルソンと2日間プレーする。「すごく楽しみなんだ。彼は素晴らしいプレーヤーだから。観客の皆さんが人気者の彼のプレーを見て、どう反応するのかすごく興味がある」と胸を躍らせている。
まずは大学卒業を優先しておりプロ転向の時期は未定だが、今年のマスターズの楽しみがひとつ増えた。(編集部・桂川洋一)