リバプールの新名所 中島啓太はプロ初のメジャーで「小さな目」をどう攻める
◇メジャー最終戦◇全英オープン 事前(19日)◇ロイヤルリバプール(イングランド)◇7383yd(パー71)
9年ぶりに全英オープンの会場になったロイヤルリバプールは、前回からバックナインのいくつかを改修して選手を迎えた。2017年にアマチュアとして当地でのプレー経験(デュークオブヨークヤングチャンピオンズトロフィー)がある中島啓太にとっても、初見のホールがいくつかある。
大会が今回の“目玉”として用意したのが17番。「リトルアイ(Little Eye)」のネーミングをつけた新設のパー3は、向こう岸にウェールズを臨むアイリッシュ湾に向けてティショットを打ち出す。縦幅27yd、横幅最大20ydのグリーンをキャッチできなければ、どのエリアからも下り傾斜でピンから遠ざかっていく。
強い向かい風が吹くことが多く、136ydの設定にもかかわらず、練習ラウンドでは7Iや8Iを握る選手もいた。通常ならショートアイアン、ウェッジで打てそうな中島も「フロントエッジから10ydの場所に毎日ターゲットを絞って、そこに打てるように。グリーンセンターだけを見てプレーしたい」と堅実な攻めを心がけた。
3つのポットバンカーに守られたグリーンの奥に広がる、トラブル必至のネイティブエリア。右サイドにある巨大なスタンドに入ると無罰で救済を受けられるが、手前と奥に2カ所あるドロップゾーン(DZ)はいずれもラフが長い。奥のDZからはバンカー越えも強いられ、寄せるのは至難の業。「(ティから)グリーン面が見えないので本当に難しい。毎日、真ん中に乗せられるように」と第1打から可能な限りリスクを排除して臨む。
開幕前日は金谷拓実とイン9ホールを最終確認。同じリンクスでも、昨年初挑戦したセントアンドリュース・オールドコースとは違い、ショットのターゲットがとにかく狭い。「全ホール『(左右)どっちがダメ』というのがある。1ホールずつ丁寧にプレーするのが大事」
日本ツアーの賞金ランキングトップ選手として臨む、プロ転向後初のメジャー。「去年は(初日)3連続ボギーでスタートしてでも、初日パープレーで終われた。今週はもっとコースが難しい。粘り続くプレーしたい」。6年前に人生で初めて経験したリンクスコースに成長した姿を刻む。(イングランド・ホイレイク/桂川洋一)