2023年 マスターズ

アーメンコーナーで“+4” 初出場の比嘉一貴「洗礼を受けてしまった」

2023/04/07 08:22
4オーバーと苦しい初日

◇メジャー第1戦◇マスターズ 初日(6日)◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)◇7545yd(パー72)

わずか2ホールで、奮闘してきたゲームの流れは一気に重くなった。初出場の比嘉一貴は12番(パー3)でトリプルボギーをたたくなどアーメンコーナーで4つ落とし、4オーバー73位と出遅れた。

開幕前は2021年大会覇者の松山英樹と連日の練習ラウンドを重ねてきた。「初めてにしてはいい情報をもって本番に臨めたんじゃないかと思う。正直、(会場入りした)月曜日のショットの方が緊張していた」。1番でティショットを引っ掛けてボギー発進も、精神状態は落ち着いていたという。

初のマスターズのティショット

1Wで左サイドに流れるクリークへ入れた2番(パー5)で120ydほどの4打目を1.2mに絡める渾身のセーブ。難関5番は、フェアウェイウッドを握るセカンドが奥のバンカーまでこぼれた。14ydのバンカーショットは手前が強烈に“受けている”一方、ピンを過ぎれば下っていく。一度はいつも使う59度のウェッジを持って砂の上に降りたが、55度に替えたジャッジが光った。「山のてっぺんにあるようなピン。59度の球の勢いでは上り切れずに手前の傾斜でどんどん流れてしまう。少し“足”の出るような感じで」。狙い通りに傾斜を上らせてパーを拾った。

随所で好プレーも出たが…

続く6番(パー3)も左奥のピンに真っすぐ飛ばしてバーディ。イーブンパーで迎えたインコースの2ホールが鬼門となった。2打目を右に外した11番をボギーとし、12番(パー3)は前日の事前チェックと同じミスが出た。「右からのアゲンストに対して、ピンより左にターゲットをもっていかなければいけない。左に行きすぎたくない意識が反応してしまったというか、そういう迷いがこういうショットになってしまう」。右に抜けたアイアンショットは手前の傾斜でレイズクリークに転がり落ちた。

初めてのオーガスタを歩く

3打目のドロップゾーンに行ったとたん、フォローの風に感じるのがこのホールの難しさだという。強く入ったショットが奥のバンカーに達してトリプルボギー。「この(短い)タイミングでアゲンストだったり、フォローに変わるのが対応できなかった。アーメンコーナーで洗礼を受けてしまった」と悔しさをにじませる。

初めてのオーガスタで神経をとがらせ続け、「1ラウンド18ホールがいつもの消耗じゃない。(頭を使って)疲労度が違う」と実感を込めた。日本ツアー賞金王として、巻き返し必須の2日目に臨む。(ジョージア州オーガスタ/亀山泰宏)

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