2023年 AT&Tペブルビーチプロアマ

「超気持ちいい」78ydチップイン締め 小平智は右肩上がりの3連戦を自信に

2023/02/07 07:21
5日間の戦いを29位でフィニッシュした小平智 ※撮影は初日(Ezra Shaw/Getty Images)

◇米国男子◇AT&Tペブルビーチプロアマ 最終日(6日)◇ペブルビーチGL(カリフォルニア州)◇6972yd(パー72)

5日がかりの72ホール目、小平智に試練が訪れた。アゲンストの風が吹く、489ydと距離のある最難関の9番パー4。5Wを握ったセカンドを左のブッシュに打ち込んだ。

前日の第3ラウンド残り5ホールの再開から、ノーボギーで7つスコアを戻したカムバックをふいにしかねない大ピンチ。「最後の最後で…」と心は波立ちかけたが、後方線上に10番のティイングエリアがあったため、1ペナルティを科して理想的なライから4打目を打てたことが幸いだった。

谷越えのピンまで大溝雅教キャディが測った「78yd」の距離は、「ちょうどサンド(ウェッジ)でスピンが入るか入らないかくらいの距離。打つ幅は狭かったですけど、距離さえ合えば、ボギーパットは打てる」。イメージ通りのキャリーでグリーンに落として“ナイスボギー”の望みが膨らんだ直後、スピンバックしたボールはきれいにカップへ消えた。「入るところも見えて、チョー気持ちよかった。最高ですね」と声も弾んだ。

米本土の3連戦目、通算7アンダー29位のフィニッシュが自らにもたらすものは順位以上に大きい。1月8日に亡くなった父・健一さんの葬儀もあってぶっつけ本番で臨んだ「ザ・アメリカンエキスプレス」は予選落ちするも、「ファーマーズインシュランスオープン」では“世界一難しい”と話すトリーパインズGCで初めて4日間を戦って53位。今週は強烈な風が吹いた3日目にスコアを崩して予選通過圏外まで追い込まれながら、バーディラッシュで舞い戻ってきた。

「3日目の風でゼロ(イーブン)までいったところから、23ホールで7つ戻せたというのは自信になります」。土壇場での粘りは、昨年スポット参戦した国内ツアー終盤戦で「ダンロップフェニックス」4位、「カシオワールドオープン」5位と好成績を連発して最終戦に滑り込んだときにも成長を感じた部分だ。「去年の最後に粘ってJT(最終戦)に出られたというのが、今につながっているんじゃないかな」とうなずく。

フィールドが絞られる昇格試合が続く2週間は、フロリダ州オーランドで調整に充てる。「体(の状態)とかボールスピードとか、だいぶ戻ってきた。ここからは上積みできるよう、トレーニングと球打ちをしていきたい」。右肩上がりの勢いを、次戦となる「ザ・ホンダクラシック」(23日~/フロリダ州PGAナショナルリゾート)にぶつけていく。(カリフォルニア州ペブルビーチ/亀山泰宏)

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