「ネイションワイドツアー」は日本ツアー人気復活の参考になるか!?
今季、米国で何かと話題になっているPGAツアーの下部ツアー「ネイションワイドツアー」。今田竜二も通った「PGAツアーへの登竜門」として位置づけられているが、両ツアー間で実力差はあまりないのでは、とここにきて囁かれている。今季のPGAツアー優勝者の中で、5名がネイションワイドを卒業していきなり初優勝を挙げている。
ゴルフファンもその傾向を感じている。PGAツアーのオフィシャルサイトでは、トップツアーの主力選手(タイガー・ウッズ、フィル・ミケルソンなど)の個人データや動画サイトに次いでネイションワイドツアーの情報へのアクセスが集中しているとのこと。「ゴルフファンの動向が見れて、とても興味深い」と、PGAツアー関係者は言う。
そのネイションワイドの中で今最も注目されているのが、ニック・フラナガンという選手。オーストラリア出身で2003年の全米トップアマチュアにも輝いている。先週の「BMWチャリティ・プロアマ」を逆転優勝で飾り、今季ネイションワイドで2戦2勝と目下絶好調。
ネイションワイドツアーでは、年間3勝すればシーズン途中でもPGAツアーへの「即繰り上げ」出場権が与えられる。同様に、1シーズンを通して賞金ランキング25位以内に入れば出場権を得られるのだが、フラナガンは「近道」を選びたいようだ。
「2戦2勝は楽しいね。これから3週連続で出場する予定だから、チャンスはあるかな…。もう1勝して、今年の後半はPGAツアーでプレーしたいね」と、フラナガン。
次から次へとスターが誕生し、話題に耐えない米国PGAツアー。その秘密は選手を育成する基盤があり、勢いのある選手にはすぐさまビッグチャンスを与えていることにあるのかもしれない。人気低迷と言われている日本男子ツアーも、石川遼君の出現で「息の長い」ツアー人気を保つための施策を打って欲しいものだ。