2022年 プレジデンツカップ

コロナ禍、LIV…敗れた世界選抜イメルマン主将「多くのハードルあった」

2022/09/26 11:02
1998年以来の勝利はならなかった

米国選抜VS世界選抜対抗戦◇プレジデンツカップ 最終日(25日)◇クエイルホロークラブ(ノースカロライナ州)◇7576yd(パー71)

世界選抜の主将を務めたトレバー・イメルマン(南アフリカ)は潔かった。「もちろん、今は少しガッカリしている。自分たちを信じていたからね」と言った後で「米国チームに脱帽だ。彼らは非常に強く、素晴らしいゴルフをした」と勝者をたたえた。

1998年以来の2勝目を懸けたチーム作りには、多くの困難が立ちはだかった。新型コロナウイルス感染拡大の影響で2021年の開催予定が1年延期。その間にサウジアラビア政府系ファンドが資金提供する「LIVゴルフ」による選手の“引き抜き”が活発となり、両チームから多くの選手が除外される事態となった。特にキャメロン・スミス(オーストラリア)やホアキン・ニーマン(チリ)が開幕まで約1カ月というタイミングで移籍を表明した世界選抜側の影響は甚大だった。

次回2024年大会はマイク・ウィア(右)の母国カナダ開催

それでも、「僕がキャプテンに就任したとき、パンデミックなんてものはなかった。ほかにもいろいろなことがあり、ここに来るまでは多くのハードルがあった」とだけ言及。恨み節の代わりに「このチームを愛している。(副キャプテンを含め)この16人の戦士たちと一緒にいられたことを誇りに思う。選手のキャディ、夫人、パートナー、サポートスタッフとも素晴らしい1週間を過ごすことができた」とチームに関わる全員をねぎらった。チームディナーはもちろん、帯同キャディの食事会にも顔を出すなど気遣いにあふれた主将だった。

週末の巻き返しで戦いは熱を帯びたが、世界選抜のホームとなるカナダ開催の2024年も“LIV勢”の処遇は引き続き課題として残りそうだ。

副キャプテンのマイク・ウィア(カナダ)は「それについて、僕らにできることは何もないと思う。すでに素晴らしいコアメンバーがいて、これからもチームを進化させる方法を議論していくつもりだ」とかわし、10度目の出場だったアダム・スコット(オーストラリア)は前を向く。「初出場の選手、2度目の出場の選手が経験を積み、チームが何年もかけて絆を深めていけば、失望してコースを去るようなこともないだろう。もうすぐ優勝カップが僕らの手元へ来るはずだ」と苦い出来事を振り返ることなく言った。(ノースカロライナ州シャーロット/亀山泰宏)

2022年 プレジデンツカップ 最終日 ハイライト
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