2022年 全米プロゴルフ選手権

「松山さんの言った通り」 金谷拓実が求める“結果”と“理想”のバランス

2022/05/18 10:11
金谷拓実は松山英樹の言葉を胸に戦う

金谷拓実は開幕2日前の練習ラウンドを松山英樹と一緒に回った。前週大会で3位に入った東北福祉大の先輩は、最終日に10アンダー「62」をマーク。充実感も残っているかと思いきや、意識は完全に今週のメジャーをどう戦うかという点に切り替わっていたという。

思い当たったのは、松山が金谷について言及したインタビュー。目の前の試合で結果を求めてスコアメークに徹するだけでなく、自らの理想を追い求める意識がもっと強くあってもいい―。「確かにその通りだな、と。結果(ばかり)を出そうとして、縮こまっている部分もあった。結果に左右されず(長い目で見て)自分のやりたいことができたか、できないか(という視点)も必要だと思いました」

タフなコースに立ち向かう

誰よりも貪欲に結果を欲しているのは理由がある。3月「WGCデルテクノロジーズ・マッチプレー」で決勝トーナメント進出(9位タイ)を果たすなど、ここまでノンメンバーの中では最も多いフェデックスカップポイント141ptを獲得。スポット参戦の機会を増やしてPGAツアーカード獲得に近づくためには、世界ランキングを上げなければならない。

現在63位の世界ランクを60位以内にできれば、全米プロ最終日翌日にテキサス州ダラスで行われる36ホールの最終予選会を経ることなく6月「全米オープン」に出られる。50位なら全米オープンの2週前に「ザ・メモリアルトーナメント」も、といった具合だ。

「もちろん、結果が出ないと前は開けていかない」と言った後で松山の言葉を胸の中で繰り返す。「でも、そのバランスが…ちょっと結果(だけ)を求めすぎていたのかなというのがある。練習から自分のやるべきことができていなかったのがあった。結果で(過剰に)一喜一憂せず、自分の打ちたいショットにこだわっていきたい」

若さに甘えず、焦燥感すら抱くように前のめりでキャリアを歩んできた。少し背筋を伸ばして遠くを見て、ひと回りもふた回りも大きくなる。(オクラホマ州タルサ/亀山泰宏)

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