2021年 全英オープン

「松山選手のように海外で」木下稜介を駆り立てた刺激

2021/07/18 22:27
16番では連日の見せ場を作った

◇メジャー第6戦◇全英オープン 最終日(18日)◇ロイヤルセントジョージズGC(イングランド)◇7189yd(パー70)

前日は完璧なバンカーショットで満員のギャラリースタンドから拍手喝采を浴びた木下稜介が、再び16番(パー3)で魅せた。前半7番でバーディを先行させながら、伸ばしきれずにいた終盤。「絶対にショートだけはしない」と強気に打った約10mが真っすぐカップへ飛び込むバーディで沸かせた。「この2日間、人生で一番の歓声をもらった。全身がしびれました」と喜びがあふれた。

17番で手前からの寄せをショートしてボギーも、深い左ラフを渡り歩いた18番でパーパットをねじ込み「69」。通算2オーバーで初めてのメジャーを終えた。

木下稜介は初メジャーで海外への思いを強くした

2日目に30歳の誕生日を迎えた一週間は、刺激しかなかった。開幕2日前の練習ラウンドでは同組にブライソン・デシャンボーが入ってきた。「普通にいい人でした(笑)」。さまざまな話題を振りまく“科学者”の紳士的な一面に触れる一方、世界屈指の飛ばし屋がラウンド中も手放さなかった弾道解析器の数字には目を見張った。「(1Wの飛距離は)330yd以下がなかったんですよ…」とうなった。

2日目のラウンド後には、練習場でロリー・マキロイ(北アイルランド)と並んで打つ形に。「身長は僕と変わらないくらい(登録はマキロイが175㎝で木下が174㎝)。それであれだけ飛距離が出て、アイアンもうまくて、ショートゲームもうまい。“キレ”が違いすぎて、並んで打つのが恥ずかしいくらいでした」。自虐節で笑わせたが、コースも選手も世界基準を目の当たりにしたことで間違いなくモチベーションは燃え上がった。

このまま米国へ向かう

「もっと頑張りたい。一言で言うと、そんな気持ちです。海外で、松山英樹選手みたいに優勝とかしたいという気持ちは強くなった。もっともっとトレーニングして、練習して、強くなりたい」。大会前には欧州ツアーのアフィリエイトメンバーに登録。広い世界へ目を向ける。

このまま米国に渡り、「WGCフェデックス セントジュード招待」(8月5日~/テネシー州TPCサウスウィンド)に出場。次もワクワクの大舞台が待っている。(イングランド・サンドウィッチ/亀山泰宏)

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