2021年 全米プロゴルフ選手権

フィルを支える弟ティム・ミケルソンが明かした「もうすぐ勝てる」

2021/05/25 06:45
優勝を決めて弟ティムと抱き合う(撮影/田邉安啓)

◇メジャー第4戦◇全米プロゴルフ選手権 最終日(23日)◇キアワアイランドゴルフリゾート・オーシャンコース (サウスカロライナ州)◇7876yd(パー72)

フィル・ミケルソンのメジャー最年長優勝を支えたキャディ、実弟のティム・ミケルソンは目に涙を浮かべた。「どの優勝も特別だが、彼のキャリアのこの時期にメジャーで勝った。この4年半で泣いたのは初めてだ」。タイトルを兄弟でつかみ感慨深げに語った。

アリゾナ州立大のゴルフ部のコーチから、卒業生のジョン・ラーム(スペイン)のエージェントを経て、2017年から兄のバッグを担ぐ。その直前まで25年連れ添ったキャディのジム・マッケイ氏の後釜として兄をサポートしてきた。

フィルは昨年シニアツアーデビューを果たし、PGAツアーの今季は直近までトップ10入りがなかった。今年に入り調子が上向くのを感じつつ「なかなか噛み合わず、パットが悪い日の次にアプローチがよくなかったり」ともどかしい日々が続いた。兆しが見えたのは3週前の「ウェルズファーゴ選手権」。初日に「64」をマークした試合で「1日すごく良いラウンドができて、彼はその後だったか『もうすぐまた勝てる』と言ったんだ」

ラウンド中、ゲームに集中しすぎてかえって注意力が散漫になるのはプロゴルファーの性だ。そこで手綱を引くのがキャディの役目。ティムは「あまりごちゃごちゃ考えないように。彼が前かがみになっているときは、『まあ、ボールのところについてから考えよう』と伝える」と要所で冷静にさせた。

「彼は決して自分を疑わなかった。思うに僕がキャディを務めてから今が一番勝利への意思や欲が強い」。来月には51歳になる兄の根っからのゴルフ好きは変わらないという。「家でもほぼ毎日ゴルフ。36ホール回る日もある。この世界最高のレベルでプレーするのはもちろんだが、家でも一緒。ハンディキャップ4や5のゴルファーとプレーする時も競うことを楽しんでいる」と目を細めた。(サウスカロライナ州キアワアイランド/桂川洋一)

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