2021年 全米プロゴルフ選手権

パー3で「9」も 全メジャー出場の金谷拓実は「一番遠く感じた」

2021/05/22 07:06
メジャーの壁は予想以上に高かった(撮影/田邉安啓)

◇メジャー第4戦◇全米プロゴルフ選手権 2日目(21日)◇キアワアイランドゴルフリゾート・オーシャンコース (サウスカロライナ州)◇7876yd(パー72)

カップのフチに蹴られるシーンも、ライの不運も何度もあった。「でも、全然そういうレベルじゃなくて」。金谷拓実は現実に突き付けられた「86」のスコアを直視した。3オーバー77位から予選通過への巻き返しの期待はむなしく、通算17オーバーで終えた。

ショットで作ったバーディチャンスをパットで逃した前半アウトは2ボギー。追い風が続くパー5の後半11番をボギーとすると、12番で2打目がグリーン右手前の枕木に跳ね、奥のブッシュに入ってアンプレヤブルとするなどダブルボギーをたたいた。

コースの西端で折り返し、金谷が14番に立ったときには風速が10m/s前後に達した。砂ぼこりを浴び、歩くのも大変な向かい風。「特にきょうは風が強くて、きのうより難しい中で全然自分が戦えるレベルではなかった」という。ボギーをさらに積み重ね、17番(パー3)では第1打を左奥の隣接ホールの砂地まで曲げると、2打目をグリーンオーバーさせて池に。ドロップゾーンからの4打目も“池ポチャ”で6オン3パットの「9」をたたいた。

風の強さや向きといった見えない要素の難易度が高い(撮影/田邉安啓)

「このスコアなので何も言うことはないですね」と想像の範疇を越えた数字に、無念さをにじませた。2019年に「マスターズ」と「全英オープン」に、20年に「全米オープン」に出場し、22歳にして4つのメジャーを経験した。「これでメジャーに全部出たけれど、一番遠く感じたかな」と36ホールの戦いを振り返った。メジャー史上最長距離に設定された7876ydのヤーデージを惑わせた強風。「自分の範囲(限界)よりも振らないとまず届かない。その他で補うこともできなかった」と沈痛な表情を浮かべた。

1週間のオフを米国内で過ごし、6月3日(木)開幕の米ツアー「ザ・メモリアルトーナメント」(オハイオ州ミュアフィールドビレッジGC)に推薦出場する。「この2日間感じたことを復習して、良い状態で迎えられるようにしたい」。松山英樹が2013年に初優勝を飾ったモンスターコースがまた相手になる。

久々の大観衆の前での大たたきにも「自分では最後まであきらめずにやり切った」と17番のプレーも含めてそう言い切れる。「結果的に『9』にはなったが、ぜんぜん投げやりにはならなかった」。心は折れていない。(サウスカロライナ州キアワアイランド/桂川洋一)

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