2021年 全米プロゴルフ選手権

使う?使わない? 「全米プロ」が認めた距離測定器

2021/05/20 11:55
今週は試合中の距離測定器の使用が許可されている(撮影/田邉安啓)

◇メジャー第4戦◇全米プロゴルフ選手権 事前(19日)◇キアワアイランドゴルフリゾート・オーシャンコース (サウスカロライナ州)◇7876yd(パー72)

全米プロゴルフ協会(PGAオブ・アメリカ)は主催する今大会および5月末の「全米シニアプロ選手権」、6月の「KPMG全米女子プロ」で、選手・キャディが距離測定器を使用することを認める。2019年のゴルフルール改正に伴い、規則4.3(1)をもとにして「距離や方向の情報」を得ることができる。

スロープレー防止の観点から加わったこの規則はすでにアマチュア競技などで採用されてきた。対象物にレーザーを当てて距離を測るレンジファインダー、方位磁針の使用が可能。ただし、プロツアーでも練習ラウンドの段階では頻繁に使われているが、実際の試合ではまだルールの採用例が少ない。

また、レンジファインダーについては高低差を計測するのは認められておらず、打つべき正確な距離を把握するためにはコースメモや事前のチェックが頼りになる。

星野陸也はこのルールを積極的に利用するつもり。加藤大幸キャディがスプリンクラーヘッドなどに記された残り距離などから歩測し、自分は測定器をのぞき込む。「(ピンに対して)斜めからの残り距離を知るときなどは良いと思います。今週はとくに数ヤードの違いで結果が変わってくる」と、情報量を多くして臨む考え。

一方、松山英樹のバッグを担ぐ早藤将太キャディは、レンジファインダーを持参するが「使うのはショットが大きく曲がったときくらいでは」と普段同様、歩測を基本にするつもり。金谷拓実とコンビを組むゲーリー・ジョンストン氏は「使わない。いつも歩いて計算しているから、レーザーを使うと混乱してしまう」とハッキリ言った。

「スピードアップには直接的につながらない」というキャディも多く、実際にどれだけの選手の役に立つかはいまのところ不透明。次週以降のツアー競技で使用が認められておらず、多くのプロにとって今大会のみの“特別ルール”という点も影響していそうだ。(サウスカロライナ州キアワアイランド/桂川洋一)

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