ドミニカからテキサスへ “筋肉痛”小平智の焦りなき旅路
2021/04/01 07:05
◇米国男子◇バレロテキサスオープン 事前情報(31日)◇TPCサンアントニオ(テキサス州)◇7494yd(パー72)
同じPGAツアーを戦う選手の中でも、今いるポジションによってその連戦のルートは大きく違う。前週の「WGCデルテクノロジーズマッチプレー」に出場した松山英樹は約1時間半のドライブで今大会の会場に入ったのに対し、小平智はドミニカ共和国からツアーのチャーター機に乗って5時間かけてやってきた。
2月下旬にはフロリダでのWGCの裏開催の試合でプエルトリコにも飛んだ。ドミニカは「ネット環境が悪くてイライラしました」というが、予選落ちした後の週末はずっと練習とトレーニング。「まだ筋肉痛。日々、ゴルフにいそしんでいる感じです。いろんなところを回れるし楽しい。日本ではまだ試合がない状況でこれだけゴルフができている」。長旅で疲れた様子は見せない。
コロナ禍で昨秋から50試合が詰め込まれたシーズンも今大会が27試合目。約半分が過ぎた。小平にとっては2017年「RBCヘリテージ」で得た優勝シードの最終年。フェデックスカップポイントランキングは175位で、来季以降の出場権確保のためには巻き返しが欠かせない(上位125位までがフルシード)。
危機的な状況にも「焦りはないです」と言えるのは、今年新調した1Wが手になじみ、ティショットの精度を主体とした本来のスタイルが戻りつつあるから。2月以降は、5試合で3回予選を通過。「ホンダクラシック」での36位を上回る成績を残していきたい。「やるしかない。自分に期待しかしていない。いつか、いつか…と思ってやっています」。日常が結果になって表れる日をじっくりと待っている。(テキサス州オースティン/桂川洋一)