松山英樹のオーガスタナショナルGCコースガイド/4番(パー3、240yd)
ゴルフの祭典「マスターズ」は4月8日(木)に開幕する。今年で10回目の出場となる松山英樹が会場のオーガスタナショナルGCの全ホールを解説。4番は4つあるパー3の最初であり、最長の難関ホールだ。
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ヤーデージブックにはティからグリーンのフロントエッジまでの距離は219ydとあり、打ち下ろしが約10yd入るが、選手たちはそれ以上に長い印象を抱く。左右のバンカーに挟まれた左手前のエリアにはボールは止まらず、下り傾斜で戻ってくるからだ。
松山は「4ラウンドのうち3回使われる後ろのティからだと、10ydの打ち下ろし。グリーンの手前8ydくらいは“使えない”ので、フロントエッジまで220ydくらいあるパー3と考える(220ydマイナス10ydの打ち下ろし、プラス8yd)」と語る。ピンまで250yd近い日もある。向かい風などで、レジェンドのシニア選手が1Wを持つことも珍しくない。
距離がたっぷりあるだけでなく、グリーンが手前と奥の2段になっているため、「横幅は問題なく打てばミスをしないくらいの長さがある」が、縦距離のミスにはシビア。「大きなグリーンが狭く見えてくる」から不思議でもある。
グリーンを外した場合のパーセーブは簡単ではない。「奥からは急激に下るアプローチを打たされる。球の勢いが微妙に食われる芝が難しい」。バンカーショットも2段グリーンに立つピンへの距離感が問われることになる。
なかでも右サイドから寄せるのは至難の業だ。グリーンが右から左手前にかけて全体傾斜している。「ピンポジションが右サイドの日は、ショートサイドからではもうパーセーブの可能性がないようなアプローチになる。パットも右からだとメチャクチャ速い。だからカップの左からパットを打ちたいが…」。僅差ではあるが、2020年大会は4日間の全選手平均スコアにおいて4つあるパー3のうち、4番がもっとも難しかった(3.0894)。
「風がよく回るホールでもあり、ティショットの高さと精度が問われるホール」。後方のティから松山がチョイスするクラブは5I、4Iが基本。風次第でUTを握るときもある。