一転中止でPGAツアー会見 「選手から多くの意見」
新型コロナウイルス感染拡大の影響で今週の「ザ・プレーヤーズ選手権」から4週にわたる5試合の中止を決めた米国男子ツアー(PGAツアー)のジェイ・モナハン・コミッショナーは13日、同大会の会場で、ツアーの本部でもあるTPCソーグラスで会見した。「選手、ファンのことを考えると、ツアーの中断は極めて残念でならない。何度も繰り返してきたが、すべての人の健康と安全が最優先事項だ」と無念さをにじませた。
ツアーは12日正午に「ザ・プレーヤーズ選手権」の2日目から、翌週の「バルスパー選手権」、「WGCデルテクノロジーズマッチプレー」、「バレロテキサスオープン」を無観客で開催すること、またマッチプレー同週にドミニカで開催予定だった「コーラルズプンタカナリゾートクラブ選手権」を中止することを発表。しかし同日夜になって、これらの大会のすべてを中止とした。
判断が10時間余りで一転したことについては、無観客試合の実施を明らかにした後、選手らから多くの意見があったことを理由にした。「安全な環境でプレーできるよう人の数を最小限に抑え、各知事が会見で発表したように250人以上を同じエリアにとどまらせないように考えた。しかし、きのうの遅く、特に家族や自宅への帰路について不確実なことが多い外国人選手たちから、いくつか質問を受けた」という。「ザ・プレーヤーズ選手権」と「バルスパー選手権」が行われるフロリダ州内で、2つのテーマパークが休園したことも決め手になった。
11日までに感染者が1200人を超えた米国では、この2日間で状況が急変している。ドナルド・トランプ大統領は同日、英国やアイルランドを除く欧州諸国からの入国を30日間制限することを発表。全米プロバスケットボールリーグ(NBA)は出場予定選手に感染者が出たため、シーズンを中断した。メジャーリーグ(MLB)は12日に開幕戦を2週間延期することを明らかにした。
賞金は半額を均等割り
なお、松山英樹が首位スタートを切ったはずだった「ザ・プレーヤーズ選手権」の賞金は総額1500万ドルの半額を、出場した144人で均等割りする。単純計算で1人当たり約5万2000ドル(約558万円)となる。モナハン氏はツアーの再開時期について明言しなかった。「現時点でのゴールは短期間、長期間にわたる計画に焦点を当て、ツアーが発足から51年にわたって築いてきた強みを維持すること」と述べた。(フロリダ州ジャクソンビル/桂川洋一)