4アップから引き分け 松山英樹は悔しさ胸に2020年へ
◇世界選抜VS米国選抜対抗戦◇プレジデンツカップ 最終目(15日)◇ロイヤルメルボルンGC(オーストラリア)◇7055yd(パー71)
21年ぶりの勝利が見えていた。「だからこそポイント(1pt)を取りたかった。本当に悔しい」。松山英樹の素直な感情が漏れた。4日間で稼いだ2.5pt(2勝1敗1分け)は、アブラム・アンセル(メキシコ)とイム・ソンジェ(韓国)の3.5ptに次ぐチーム3位タイ。それでも自らを責めるような口ぶりで、チームとして逆転を許したスコアボードに視線を投げた。
トニー・フィナウとのシングルス戦は、一方的な展開を予感させた。2番(パー5)で2オンから3パットしたフィナウに対し、きっちりバーディを奪って先行。3番(パー3)もグリーン左からの傾斜で回し、1.5mにつけて連続で獲るなど、4アップで折り返した。
世界選抜陣営が早々に1ptを計算したくなるような展開は、後半に様変わりした。11番でフィナウがバーディで差を詰めると、12番では松山が2打目をピンサイドのバンカーに入れた。ギリギリを狙ったバンカーショットは脱出に失敗し、ボギー。13番、14番(パー3)はフィナウのパットがさえ、4ホール連続で奪われてついに追いつかれた。
ひとつ前のマッチで勝利した米国選抜のタイガー・ウッズ主将がグリーンサイドに陣取った16番では意地を見せた。残り170ydからの2打目を7Iでピンに絡めるバーディ。再びリードを奪って拳を握ったが、17番で返しのパーパットを決められなかった。3パットボギーで再びタイに持ち込まれ、引き分けた。
「ドライバーも、ほぼほぼ暴れなかったし、いい感じで次のステップにいけるんじゃないかなと思う」。4日間を通じて相手の脅威となったショット面の安定に及第点をつけつつ、「パッティングが、ここ最近良かったけど、今週に入ってすごく悪かった。立て直しかなと思う。流れを引き戻すためには大事なパットを入れなければいけなかったけど、17番で外してしまった。課題がそのまま出た」とシビアに見つめた。悔しさいっぱいで締めくくった1年を、2020年の歓喜につなげていく。(オーストラリア・メルボルン/亀山泰宏)