日本人最多4度目の対抗戦 松山英樹は純粋に「勝ちたい」
◇世界選抜VS米国選抜対抗戦◇プレジデンツカップ 事前(10日)◇ロイヤルメルボルンGC(オーストラリア)◇7055yd(パー71)
出場回数に応じてキャディバッグにあしらわれるカップの数は「4」になった。自らが持つ日本人の最多記録を更新した松山英樹の中では、敗れてきた悔しさが先行する。「3回とも勝てていないので、勝ちたいという気持ちが強い。アダムがチーム最年長で9回目。そろそろ勝ちたいと思っているはず。貢献できるように頑張りたい」。この大会で世界選抜の出場最多記録を更新することになるアダム・スコット(オーストラリア)への思いも添えて、決意を口にした。
最新の世界ランキングでは、筆頭が18位のスコットという世界選抜に対し、米国選抜は12人中10人がスコットより上位ランカー。ただ、舞台は過去12回の開催で世界選抜が唯一の勝利を飾ったコース。丸山茂樹がMVPに輝いた1998年。松山は6歳だった。その丸山から話を聞く機会もあり、コースについて事前にイメージもつくってきた。「すごくタフなコース。(米国選抜は)強いですし、厳しい戦いになるのは間違いないけど、ベストを尽くせればチャンスはある。相手がずっと絶好調なわけではない。自分たちのプレーに集中してできれば」と気持ちを奮い立たせた。
この日の練習ラウンドではフォアサム(1つのボールを交互に打ち合い、1ホールごとのスコアを競う)のマッチプレー戦を想定し、偶数ホールのティショットを担当して初出場のアン・ビョンフン(韓国)と交互に打ち合うホールもあった。最終18番では2打目をピンに絡めた松山のもとへ、新たにキャプテンとなったアーニー・エルス(南アフリカ)が歩み寄ってグータッチ。ツアーで選手として一緒にプレーしたときから、その包み込むような人柄に触れてきた。「いいショット、いいパットを打ったら、すごく褒めてくれる。すごく士気は高まる。チームに貢献できるようにという気持ちは強い」。終始、静かに気合をみなぎらせた。(オーストラリア・メルボルン/亀山泰宏)