2019年 全英オープン

メジャー大会のホスピタリティ/塚田好宣の現地レポ(その6)

2019/07/21 11:08
これが選手用のホスピタリティ施設

今回は「全英オープン」会場で選手たちが、プレー中や練習以外に、どんな所で過ごしているのかを紹介したい。

自分も「全英オープン」3度を含めて、4度メジャートーナメントへ行っている。メジャーでの選手へのホスピタリティは、国内のそれとは比較できないほど充実している。初めての海外メジャーだったスコットランドのロイヤル・トゥルーンでは、大会の雰囲気やリンクスコースに感動したのを覚えている。しかし、もっと感動したのが選手へのホスピタリティだった。プロゴルファーとして扱ってもらっていると初めて感じた瞬間でもあった。

ロイヤルポートラッシュでは、クラブハウスとは別に選手専用の大きな「The Open Clubhouse」という、体育館のような大きさの2階建ての建物がある。ここには選手用ロッカー、キャディ用ロッカー、そしてダイニングが2カ所(1階にはサンドイッチなどの軽食が用意されたカジュアルダイニング、2階には朝昼晩と温かい料理が食べられる本格的なダイニング)。奥には選手専用のフィットネスエリア、VIPエリア(ここは特別な選手だけのようで、入れなかった)があり、エントランスからダイニングまではラウンジになっている。

ホスピタリティの一貫として散髪屋も

選手にはパスコードを入力するセキュリティ付きの比較的大きめなロッカーが用意されている。ゴルフバッグの入る大きさだと思う。通路も広く、明るくて、とても使いやすいロッカールームだ。奥にはトイレとシャワールームがある。入り口にはきれいに積まれたバスタオルも用意されている。どこかの高級フィットネスジムのような作りだ。そして、今回驚いたのは、散髪ができるスペースが用意されていたこと。もちろん理容師もいて、実際に散髪をしている選手もいた。確かにソーシャルメディアが一般化されている今の時代、常に身だしなみを整える必要はあるだろうね。

フィットネスエリアには、トレーナーも常駐し、機材もほぼすべてのものが取りそろえられている。選手は、まずここへ顔を出し、それぞれのメニューをこなしてから練習場へ向かうのがルーティンになっている。

選手用に用意された仮設ジム

選手たちがどんな物を食べているのか知りたいよね。まず1階のカジュアルダイニングには、外にも持ち出せるようにパッキングされたサラダやサンドウィッチ類、ヨーグルトやソフトドリンクがある。2階は朝昼晩とメニューが変わるブッフェ形式。朝はオムレツ、昼と晩はパスタを好みで作ってくれる。スムージーやカフェスタンドもある。

この「The Open Clubhouse」には、選手のほかはパスを持っていないと入れない。セキュリティもしっかりしていて、選手たちはハウス内でリラックスして過ごすことができる。とにかく選手が必要なものがすべてそろっていて、リラックスして過ごせる環境を完璧に整えてくれている。このセキュリティを含めたホスピタリティはメジャーならでは。これを経験するだけでも、メジャーに来たんだなと感じることができると思う。

さて、あすの最終日は少し趣向を変えてみて、現地のアイリッシュパブで優勝争いの雰囲気を地元ファンたちと一緒に体験してみたいと思う。(文・塚田好宣

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