2019年 全英オープン

稲森佑貴が感じたアウェーの風

2019/07/21 02:18
初めてのメジャー大会で健闘をみせる稲森佑貴

◇メジャー第4戦◇全英オープン 3日目(20日)◇ロイヤルポートラッシュ(北アイルランド)◇7344yd(パー71)

「ちょっとアウェーも感じました」。日本人8人が出場した海外メジャー最終戦で決勝ラウンドに進んだのは2人だけ。そのうちの1人、稲森佑貴はこの日、欧州ツアーを主戦場とし、5月「全米プロ」で3位に入った“準地元”のマット・ウォレス(イングランド)と同組に。「注目組」として、18ホールをテレビカメラに追いかけられ、公式サイトでライブ中継されたのだから無理もない。

スタートティでは背後のスタンドを埋め尽くしたギャラリーからの大歓声を浴び、3Wを力んでひっかけるなどしてボギー発進。「決勝ラウンドになると、なんとなくコースは一味違っていて緊張した」という。それでも「早めにボギーが来て良かった」と、出入りは激しかったが、初日と同じ「70」でプレー。アンダーパーで回って「90点」と自己採点した。

11番でピン上10m弱の下りフックラインをジャストタッチでねじ込んでバーディを奪い、グリーン周りから「Yeah!」の歓声。直後にウォレスが1m強を外して、ギャラリーからため息が漏れたのとは対照的だった。それでも、「彼もアグレッシブなプレーをしていたので、世界の技を見ながら勉強もかねてラウンドしようという感じだった」。

アウェーの風だけでなく、「ランダムに吹いていた」という実際の風にも難儀した。「全部の風が読みにくい。特に横風が多かった」。海沿いのリンクスで連日コースに鍛えられている経験はそれでも悪くないようだ。「やるべきことはティショットをフェアウエイに置いて、ちゃんとグリーンに乗せること。そうすればおのずとバーディは来てくれる」。日本でフェアウエイキープ率1位の24歳は初の全英でも臆することはない。(北アイルランド・ポートラッシュ/清野邦彦)

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