開幕前日にリンクスの雨と風 松山と金谷が最終調整
◇メジャー第4戦◇全英オープン 事前情報(17日)◇ロイヤルポートラッシュ(北アイルランド)◇7344yd(パー71)
きのうまでの晴天がウソのように、鉛色の雲、強い風と雨という“全英らしさ”を取り戻した開幕前日の水曜日。松山英樹と金谷拓実は午前中にイン9ホールの練習ラウンドを行った。
英BBCの気象情報では、この日は「Heavy rain and fresh a breeze」という表現。風の強さは、弱い順に「(1) light, (2) gentle, (3) moderate, (4) fresh, (5) strong」の5段階で表されていて、freshというのは「強い」と「中くらい」の間に当たる。「疾風」という和名も付けられていて、こちらの表現の方がピンと来るだろう。それに強い雨が加わった。
雨の影響で飛距離も落ち、アゲンストとなった16番(236yd/パー3)で金谷が握ったのは1W。左からの向かい風の中、低いフェードボールで左から大きく曲げて、グリーンを狙っていった。「パー3で1Wを打つのは小学生のとき以来。中学生になってからは打っていないと思います」と目を丸くした。「テレビで観てきた通りの天候になりましたね」と、難コンディションの予行演習を苦笑いで振り返った。
一方の松山は、同ホールでは3Wを握ったものの、右に大きく流されて斜面を覆った深いブッシュへ。途中、幾度もティショットを打ち直す場面もあり、ショットの状態はまだ満足のいくものではなさそうだ。だが、最終18番では左からの風に流された金谷とは対照的に、1Wで風に負けないまっすぐの球筋で左フェアウェイをとらえる完璧なショット。最後は笑顔をみせてホールアウトした。
明日以降の風予報は、木:fresh(4)、金:moderate(3)、土:gentle(2)、日: fresh(4)と、きょうと同じかそれ以下の強さ。雨も4日間とも「Light rain」で、きょうが最も強い雨となりそうだ。だが、あくまでも予報は予報。
松山はこの日のラウンド中、16年ロイヤルトゥルーンでの自身の体験を金谷に話したという。スタート時間によってもコンディションは大きく変わる。「微妙なパーパットが残ると思うし、それを入れていかないと決勝ラウンドには残れない。グリーン周りをしっかり練習して帰りたい」と金谷も最後の調整に練習場へと向かっていった。(北アイルランド・ポートラッシュ/今岡涼太)