比嘉真美子が日本人初の単独首位発進 デビューラウンド最少スコアを更新
◇海外女子メジャー◇全米女子オープン 初日(30日)◇カントリークラブ・オブ・チャールストン(サウスカロライナ州)◇6535yd(パー71)
ノーボギーの6アンダー「65」。大会初出場の比嘉真美子が、「全米女子オープン」デビューラウンドの歴代最少スコアを更新して、日本人として同大会初の単独首位発進を決めた。前週にはマイナーリーグの野球観戦を満喫するなど、「アメリカ生活が楽しいので、その気持ちがスコアに表れたと思う」と笑顔をみせた。
2014年には米国女子ツアーのQスクールに挑戦したこともある。憧れの地での憧れの大会は「世界で一番上の試合。特別な試合であることは間違いない」と、気持ちの高ぶりを感じずにはいられない。だが、今年4月に初出場した今季の海外メジャー初戦「ANAインスピレーション」では、興奮をコントロールできずに予選落ちした。だから、「テンションを下げるように意識した」と今週は平常心を心掛けて挑んでいる。
7時33分の午前スタートにも関わらず、序盤から強い風がピンフラッグを揺らしていた。同組の畑岡奈紗、成田美寿々がともに1番をボギーとする中、比嘉だけがきっちりと2パットのパー発進。3番(パー3)で2mのバーディパットを沈めると、そこから3連続と一気にアクセルを踏み込んだ。
9番(パー5)ではグリーン左バンカーから、「グリーンの真ん中が馬の背になっているので、それを越えてトロトロといってくれれば…」という狙い通りのショットで1mにつけてバーディ奪取。「あれはすごくよかった」と自賛した。
ドローとフェードに加え、高低も打ち分けるティショットで確実にフェアウェイをとらえ、この日のパーオン率は83.3%を記録した。前日より速くなったグリーンにもいち早く対応し、「パッティングのスピードがすごくよかった。ピンチは本当に少ないラウンドだった」とうなずいた。
ホールアウト後の記者会見では、「旦那(大相撲の勢関)はスモウレスラー」と紹介された。「もう慣れました。でも、みんな旦那にしたがるけど、まだフィアンセです」と照れながら否定したのは、会見が終わってから。「勢(いきおい)は英語だと“モメンタム”です。でも、絶対に言いません」と、自分からリップサービスをするつもりはないようだ。
開幕まで4日続けて9ホールずつの練習ラウンドを行ったが、いずれも正午前にはコースから引き上げている。「午後に回ってコンディションをチェックするよりも、体を休める優先順位が高かった」という戦略だ。あすが今週初めての午後スタートとなるが、それも織り込み済みのこと。
過去4度出場した海外メジャーでトップ10が2回。周囲の期待は高まるが、「まだ初日だし、4分の1しか終わっていない。自分がいまできることをとにかく精一杯したいです」と、視線はしっかり足元に向けられている。(サウスカロライナ州チャールストン/今岡涼太)