灼熱のムービングデー 畑岡奈紗「73」でメジャーV厳しく
◇海外女子メジャー第3戦◇KPMG女子PGA選手権 3日目(30日)◇ケンパーレイクGC(イリノイ州)◇6741yd(パー72)
うだるような暑さに熱風。畑岡奈紗は「集中し切れないほどだった」と汗をぬぐった。8位タイから出たムービングデーに「73」と落とし、首位と9打差の2アンダー23位タイに後退。1977年大会の樋口久子以来、日本人女子2人目のメジャー制覇は厳しくなった。
米国の天気専門チャンネル『ウェザー・チャンネル』によれば、会場内の体感気温は42度。コースのあるイリノイ州レイク群から南に約100kmのクック群には猛暑で警報が出たほどだ。東南アジアでより暑い試合を経験したという畑岡だが、「アメリカの中では一番だと思う。朝の練習場からきつそうだなと」と話し、氷の入った袋を頭や首に当ててラウンドを続けた。
酷暑に加えて、強くなった風や硬さが増したグリーンにも手を焼いた。前のホールをバーディとした前半7番(パー5)は、3打目をグリーン奥のラフへ。アプローチをオーバーさせるボギーで失速した。その後もグリーンをオーバーさせるなどパーオン率は61%。フォローの風が吹くと「2番手くらい変わった」というクラブ選択も難しく、「このコースはピンに突っ込んでいかないといけないけど、硬さがあったり、飛びすぎたり…」とチャンスを作り切れなかった。
ツアー初優勝した前週「NW アーカンソー選手権」(アーカンソー州)から、最終日の翌月曜日にコース入り。ここ2カ月で日米ツアー含め7試合目になる19歳は、疲労度を問われ「あんまり考えないようにはしているんですけど、少しはあるのかなって思う」と答えた。この日は取材対応を終えると、マネージャーに「帰ります」と告げて足早にクラブハウスへ引き上げた。
サンダーストームの予報が出ている最終日は当初よりスタート時間を早め、アウトとインから3サムでのラウンドとなる。日本人女子41年ぶりの快挙は遠のいたが、「少しは涼しくなってくれたら良いけど。あしたは60台で回りたい」と気持ちを切り替えた。(イリノイ州キルディア/林洋平)