プレーオフからの長い1日 日本代表はシングルス戦で2勝
決勝進出を懸けたプレーオフが始まったのは午前7時45分。中国、タイを撃破した日本チームは、そのまま11時2分に第1組がスタートするシングルス戦4試合を戦った。
第1組で出たのは鈴木愛。「トップスタートだし、自分が勝ったら他の選手もいけると思った」と、キャンディ・クン(台湾)を相手に1番でアップを奪う。だが、3番、4番と連続で獲られて1ダウンとなると、その後はアップダウンを繰り返すもリードを奪えない苦しい展開。「最後まであきらめずに戦った」というものの、16番(パー5)でボギーを叩いて2ダウンとなり、ドーミーホールの17番で2&1で敗退した。
第2組で続いた宮里美香は「ショットがピンに絡まなかったし、前半で3ダウンくらいしてもおかしくないゴルフ」と振り返ったが、地元米国のステーシー・ルイスを相手に12番までオールスクエア。それでも、後半になって尻上がりに調子を上げたルイスが13番、15番とバーディを奪い、宮里は14番で痛恨の3パット。16番を終えて3&2で力尽きた。
今週はキャプテンとしてチームをまとめた宮里。「チームワークも取れていたし、雰囲気はすごく良かった」とチーム・ジャパンを牽引したが、「ダブルスで勝ち点をちゃんと獲らないといけなかった」と初日に1ポイント、3日目0ポイントに終わった戦いを反省した。
日本勢の3人目に登場した野村敏京は、韓国のエイミー・ヤンと激突。7番で1アップとすると「パターの調子が本当に良かったし、ショットも良くて楽しかった」と、その後は順調にリードを伸ばした。16番を終えて3&2で、日本にシングルス戦での初勝利をもたらした。
野村にとっては初めての日本代表で、初めてのチーム戦。「日本代表としての緊張感よりは、チームマッチ(フォアボール)の緊張感が大きかった。だから、最終日のシングルス戦は全然楽しくできました」と、個人戦のみで争われるリオデジャネイロ五輪に向けても弾みとなる勝利になった。
最後に登場した渡邉彩香は、ホリー・クライバーン(イングランド)を相手に1アップで最終18番へ。グリーン奧からのアプローチを2mオーバーさせて、外せば引き分けとなる場面だったが、このパットを確実に沈めて安堵の表情で締めくくった。「4日間の中でショットが一番安定していなくて序盤は苦しかったけど、今日はパットで救われた。朝から長い1日だったけど、最後まで4人で戦えてほっとした」と、今週初めての勝利に笑顔となった。(イリノイ州リバティビル/今岡涼太)