野村敏京 リオ五輪へ心境複雑も金メダルは「もちろん欲しい」
米国女子メジャー第2戦「KPMG女子PGA選手権」が、9日(木)にシアトル郊外にあるサハリーCCで開幕する。今季2勝を挙げて賞金ランキング2位につける野村敏京は、7日(火)はプロアマ戦で18ホールをラウンドした。
「ラフはそんなに長くなかったけど、グリーンが硬い。速さはそうでもないけど、フェアウェイが狭いし、傾斜も結構ある。特にインで狙いにくいところがある」と、コースの印象を語った野村。
「手前から行くと木が邪魔になるので、行って木の下から打った方がグリーンを狙える」と、ティショットは番手を落として刻むことよりも、1Wを手にすることの方が多いという。「今週はボギーが必ず出るコースなので、バーディよりはパーを目指す。優勝は5アンダーでるかどうか…」と、罠を避け、じっくりとチャンスを待つ戦略を練り上げた。
今季ツアー初優勝を飾った野村の次なる目標はメジャー制覇。「今年に入ってからの目標」と野村はいう。そして、8月のリオ五輪の代表争いでも日本勢最上位をひた走っている。
日本人の父と韓国人の母を持つ野村にとって、日本を代表して戦うのはシンプルなことではない。「私は“中途半端”だから…」と五輪出場への複雑な思いを明かしたこともある。だが今は「(五輪は普通の試合と)同じトーナメントの気持ちでやるつもり」と割り切っている。
ブラジルは治安やジカ熱の問題もあり、「なんであんなところでやるんだろう」と野村も苦笑い。遠征には母親は連れて行かず、自分ひとりで行くつもりという。「来ないでって言ったんです。治安ですね。私は見た目がブラジル人に見えるから関係ないけど」と、ケラケラ笑った。
野村は「基本的にはオリンピックはアマチュアの試合。一応、楽しみにしているけど、どうなるかは分からない」と、出場には若干の含みも持たせている。それでも、金メダルは「もちろん欲しい」と断言する。
男子では出場辞退をする選手が少なくないが、女子で辞退した選手はまだいない。「なんでだろう、分からない」と、その理由をしばらく考え込んだ野村。「(男子は)やっぱり、お金か!」とまた笑った。(ワシントン州サマミッシュ/今岡涼太)