2016年 ANAインスピレーション

全米5位から得たもの 大山志保のメジャー対策

2016/04/01 11:01
大山志保がメジャーの舞台で首位と1打差3位タイの好スタートを切った

メジャーの大舞台でガッツポーズを揺らす。カリフォルニア州のミッションヒルズGCで開幕した米国女子メジャー今季初戦「ANAインスピレーション」の初日、日本からスポット参戦する大山志保が、5バーディ、1ボギーの「68」でプレーして、首位と1打差3位タイの好スタートを決めた。

弱風、晴天の午前組2組目でインコースからティオフした大山。この日はアイアンショットが光った。1アンダーで折り返した後半、5番(パー3)では6Iでピンそば1m弱にピタリと寄せバーディを奪った。

さらに最終9番(パー5)では、SWでフルショットした残り84ydの第3打を1mに止めて、バーディフィニッシュ。開幕前に不安を口にしていたパッティングは「感覚が戻って来て28パット」。次々とカップに沈めて小さく拳を握った。

このオフに新たな対策を練ってメジャーに臨んでいる。発端は5位に入った昨年「全米女子オープン」。大山は最終日に同大会を逆転で制したチョン・インジ(韓国)と同組でラウンドした。

鮮明な記憶として残る17番のパー4。2打目で互いの着弾地点はほぼ一緒だったにも関わらず、低い弾道の大山の球はランが出てグリーンをオーバー。一方チョンの高い弾道を描いた球は、グリーン上でピタリと止まりバーディとした。

「あのときの悔しさははっきりと覚えている」。メジャーで勝つために(球を)上げて止めるバリエーションの必要性を再認識。向上心を駆り立てられ、このオフにシニアプロの渡辺司に指導を仰いだ。昨年12月に開催された日本ツアーの対抗戦「Hitachi 3Tours Championship」での競演がキッカケだ。「実際にテクニックを見て感服した」という大山は4日間合宿を張り、打ち方の指導を受けた。「自信を持って打てている」アイアンショットは、メジャーセッティングに屈しない技術を会得したが故だ。

「ショットは好調を維持しているし、パットの感覚が戻ってきたから、あしたが楽しみ」。天候の変化が予想される2日目は、午後0時33分にティオフする。(カリフォルニア州ランチョミラージュ/糸井順子)

2016年 ANAインスピレーション