「3度目の正直」ならずも今季ベスト 宮里美香は惜敗2位
アーカンソー州にあるピナクルCCで行われた米国女子ツアー「ウォルマート NW アーカンソー選手権 by P&G」の最終日、首位と4打差4位から出た宮里美香が、6バーディ、1ダブルボギーの「67」(パー71)で通算13アンダーとし、優勝したチェ・ナヨンと2打差の単独2位フィニッシュ。今季のベスト順位、シーズン2度目のトップ10入りを果たした。
最終組の1組前でスタートした宮里と同組になったのは、地元の声援を一身に受けるディフェンディングチャンピオンのステーシー・ルイスとブリタニー・リンシコム。完全アウェーの状況に「正直きつかった」と振り返ったが、「逆にそれが自分を強くしてくれるラウンドだった」と、プレーでは意地を見せた。
3番(パー3)で2mを沈めてバーディを先行させると、5番、8番、10番と好調なショットでバーディを積み重ね、ルイス、チェ・ナヨンとともに首位を併走。13番でラフからの2打目をグリーン右下に外して、アプローチをミス。ダブルボギーとして2打差をつけられたが、そこからが見せ場だった。
16番では、先に2打目を打ったルイスがピンをかすめて2.5mにつけると、宮里は7Iで1.2mにぴたり。ルイスが外し、宮里が決めて1打差に詰めた。続く17番(パー3)は周囲をスタンドが取り囲み、ルイスが登場すると大歓声が沸き起こった。宮里が右4m、ルイスは上1.5mにつけたが、今度も宮里が先にカップにねじ込み、ルイスがミス。再びルイスをとらえることに成功した。
だが、ルイスへの大歓声でかき消されたのか、その間に最終組のナヨンが、16番で2打目を直接沈めてイーグルとし、続く17番でもバーディを決めて通算15アンダーまでスコアを伸ばしていた。
宮里の18番(パー5)の3打目は「フェアウェイだけど、少し沈んでいた難しいライ」。そこから、PWで低く出して2段グリーンを駆け上らせ、ピンが切られた奥の段まで運んで4mのバーディチャンス。このパットは決められなかったが、ルイスがこのホールをボギーとしたことで、単独2位をつかみ取った。
このコースは、ここ3年で2位(2012年)と3位(13年)が1度ずつある。宮里は「3度目の正直だと思ったけど、やっぱりダボが…」と悔やんだが、それでも世界ランク3位のルイスには競り勝った。
「悔しさはあるけど、ゴルフってこういうもの。最近は、ステーシーとこの位置で回っていなかったけど、負けていないショットが打てた。自信になるし、良い経験になった」。一週休んで、次は「全米女子オープン」。「今日のイメージを持って入りたい」と胸を張った。(アーカンソー州ロジャーズ/今岡涼太)