2014年 全英リコー女子オープン

シンプルな攻め 上原彩子が首位発進

2014/07/11 06:00
メジャーの大舞台で4アンダー、単独首位発進を決めた上原彩子(「Pentax K-3」にて撮影)

イングランドにあるロイヤルバークデールGCで開幕した海外メジャー「全英リコー女子オープン」初日、5バーディ1ボギーの「68」で回った上原彩子が4アンダーで単独首位に立った。

ポッドバンカーが散りばめられた狭いフェアウェイの両脇には深いラフが待ち受けるが、上原の武器は曲がらないティショット。14ホール中13ホールはドライバーでティショットを打ち、フェアウェイを外したのは1度だけ。同組で回った世界ランク1位のステーシー・ルイスに飛距離で差をつけられても、上原は自分の攻めを貫いた。

6番(パー5)はレイアップした3打目をピンそば1メートルにぴたりとつけて2個目のバーディ奪取。15番(パー5)、17番(パー5)と決めることは出来なかったが、刻んでバーディチャンスを演出した。一転、18番(パー5)は残り214ヤードの2打目を4Wでグリーンを捉え、2パットのバーディフィニッシュ。「良いジャッジができたし、今日1日やるべきことは出来たと思う」と満足げに振り返った。

課題としていたパッティングも、今大会の練習日にコースでデモンストレーションをしていた業者の機械を使って細かい数値を計測し、球がインパクト後に順回転で転がり出すまでの距離を理想値へと近づけることで「安定して転がるようになった」と改善した。

「最初に測ったときは、13って数字だったんです。でも、理想は10だよって言われたので、少しハンドファーストにして、ハンドダウン気味だったのも、少しハンドアップに直しました」。数字の単位はセンチなのか、インチなのか。そこまで気にしなかったのは、沖縄県民の上原らしいおおらかさ。それでも、5番で5メートル、12番(パー3)で4メートルと微妙な距離のバーディパットが決まれば、それ以上望むこともないだろう。

球の高低を打ち分けたり、ティショットのクラブ選択で頭を悩ませたりする選手が多い中で、シンプルに自分のやるべきこと、出来ることに集中する上原のプレーが印象的だ。「あと3ラウンド、いろんな天気があると思うけど良い判断をして頑張りたい」。情報の取捨選択が、リンクスで必要な“余力”を生んでいるといえそうだ。(英国サウスポート/今岡涼太)

2014年 全英リコー女子オープン