初参戦で4日間完走 成田美寿々が感じたメジャーの過酷さ
「これを入れて帰って、日本での戦いにつなげよう。死んでも入れる!」
最終18番、3メートルのスライスラインをねじ込み、バーディフィニッシュを決めた成田美寿々。ペイン・スチュワートばりに…とはいかないが、力強いガッツポーズで4日間の戦いを締めくくった。ノースカロライナ州のパインハーストNo.2で開催された「全米女子オープン」。9オーバーの26位で迎えた最終日は、2バーディ、4ボギー、3ダブルボギーの「78」で回り、通算17オーバーの55位タイでフィニッシュした。
初めての海外メジャー挑戦を終え、技術的な課題として浮かび上がったのは番手間の距離を残した際のアイアンショットとショートゲーム。この最終ラウンドは7番、8番と連続ダブルボギーを叩くなど、リカバリーに失敗した。「8オーバーのほとんどがパットのミス」。フェアウェイキープ(77%)、パーオン率(68%)は全体平均以上の出来。しかしサンドセーブ率(13%)、平均パット(1.88)はいずれも平均を大きく下回った。
その一方で、精神的なタフさの重要性も痛感した。日本ツアーでの戦いとの比較をこう説明した。
「流れを日本よりも余計に気にしないと、あっという間に“持って行かれて”、18ホールが終わってしまう。日本では流れを失ってもボギーで済むところが、ダブルボギー、トリプルボギーになってしまう」。わずかな綻びが、大きくならないうちに埋めることの大切さ。世界最高のフィールドでの戦いで、身に染みた。
「(メジャーでの重圧は)私は鈍感な方なのであまり感じなかったけれど、アメリカツアーは楽しいなと思う」。将来も日本を主戦場として、世界を相手に戦う意思だが、収穫はこれ以上なく大きなものになった。
森田理香子と同様、明朝には日本にとんぼ返りし、26日(木)開幕の4日間大会「アース・モンダミンカップ」に出場。そして今度はメジャー第3戦「全英リコー女子オープン」に参戦する。(ノースカロライナ州パインハースト/桂川洋一)