メジャーでも活きたOKライン 横峯さくらが7位で決勝ラウンドへ
ノースカロライナ州のパインハーストNo.2で開催中の海外女子メジャー「全米女子オープン」2日目、横峯さくらが1イーグル、2バーディ、2ボギーの「68」をマークし、通算2オーバー。12人の日本勢の中で最高位の7位タイで決勝ラウンド進出を決めた。
第2ラウンドを迎えた時点では4オーバーの47位。パーを重ね、スコアをわずかでも伸ばせれば、ボードを駆け上がれるのが最高難度のメジャートーナメントだ。平均ストローク「75.00」に対し、この日のベストスコア「68」をマークしたのは、首位ミッシェル・ウィ、2位レクシー・トンプソン、そして横峯だけ。「このコースで、アンダーパーで回れると思っていなかったのですごく嬉しい」と、素直に結果を喜んだ。
4月に入籍したメンタルトレーナー森川陽太郎氏の教えは、世界最高の舞台でも活きた。3番バーディ、4番ボギーと続いた直後の5番(パー5)、フェアウェイから残り205ヤードを9番ウッドで2オンに成功。バーディが期待された場面で、「3パットのパーでOKという感じだった」と許容範囲をグンと拡げて放った15メートルのイーグルパットは、そのままカップに沈み大歓声。「結果的にイーグルになった」とこともなげに振り返ったが、一気に上位を構成するメンバーの一人になった。
11番では3メートル、13番では1.5メートルのバーディチャンスを逸した。それでも「パーでOKなのがOKライン」。14番で5メートルを沈めたバーディは「ボーナスです」。
思うようにスコアを伸ばせなくても、自分を許し、次の1ホールに集中するのはまさにメジャー向きの戦い方。「昨日終わって、予選落ちしてもしょうがないなと。それでも現実を受け入れてやればいいと思っていた」。「緊張するのが悪いものではないことに気付いた。今までは緊張していたら『大丈夫、大丈夫』と(心に)フタをしていた」。元々の高い能力に加わったセルフコントロールの術。「私自身、そんなに先は長くない。一生懸命ゴルフをやれるのもあと数年かなと」という気持ちで、積極的に海外メジャー参戦を決めた今年。頼れる夫との二人三脚は、順調な足取りだ。
決勝ラウンドを前に、首位に6打差に迫ったが「今日と同じプレーをできれば嬉しいけれど、そう甘くは無い」と慎重。「OKラインを下げてやっていきたい。とりあえず予選を通過できてよかった。優勝争いはまだ遠い」。ラウンド後のインタビューではそう自らを律したが、「頑張ったね」という夫の優しい声に、小さくうなずいた。(ノースカロライナ州パインハースト/桂川洋一)