周囲の支えを力に 心機一転のノルドクビストが首位発進
タイのサイアムCCで開幕した米国女子ツアー「ホンダ LPGAタイランド」で絶好のスタートを切ったのは、スウェーデン出身の26歳、アンナ・ノルドクビスト。後半15番パー4のイーグルを含む「66」をマークし、ルーキーイヤーで2勝を挙げた2009年以来となるタイトルに向けて6アンダー単独首位で飛び出した。
「難しいコースだけど、3連続バーディ発進でスタートから勢いをつけられた」と、前半だけで4バーディを奪い、首位に立ってハーフターン。12番でさらに伸ばした直後に連続ボギーを叩いたが、15番で2打目を直接カップにねじ込むイーグルで首位を奪回し、そのままリーダーボードのトップを守りきった。
09年から未勝利が続いているとはいえ、2010年から賞金ランキングトップ25を外すことなく、高いパフォーマンスを維持し続けているノルドクビスト。昨シーズンも同20位で終えたが、「昨年は本当に失望した」と吐き捨てた。「昨年はトップ15に15回か16回は入って堅実ではあったけれど、ゴルフへの楽しみを失っていた」。シーズン中には、ゴルフを辞める気持ちを抱くことすらあったという。
その支えとなったのが、家族や友人、関係者など彼女を取り巻く人々だった。「今年、家族や友人がフロリダに来てくれたし、私もスウェーデンに帰ってとても楽しかった。私のことをケアしてくれたわ。それに、優れたコーチやトレーナー、キャディも、より良くしようとトライしてくれているし、私のインスピレーションが戻るよう努力してくれている。モチベーションが以前より上がるように、後押ししてくれているの」。
加えて今年は、クラブも大幅にチェンジ。これまで数種のメーカーのクラブを混合で使用していたが、ウッド・アイアンともに先月契約したテーラーメイドに一本化。ウエアもプーマからアディダスに替わり、イメージを一新した。「とても刺激的だったわ。スタッフのサポートは手厚いし、本当に支えになってくれている」。彼女を取り巻くあらゆるサポートとともに、一時期の迷いはすっかり払拭されているようだ。(タイ・チョンブリ/塚田達也)