宮里藍、2位に4打差をつけ単独首位で最終日へ「たぶん大丈夫」
宮里藍が今季初勝利、そして米女子ツアー節目の通算10勝目に王手をかけた。米アリゾナ州のワイルドファイアGC(アリゾナ州)で開催中の米国女子ツアー「RRドネリー LPGA ファウンダーズカップ」3日目。14アンダーの2位から出ると、5バーディ、ノーボギーの「67」で回り、通算19アンダーとして後続に4打差をつけて単独首位に返り咲いた。
抜群の安定感はこの日も健在だった。2番(パー5)で3打目のアプローチをピンそば20センチにつけて確実にバーディを先行させると、前半で3つスコアを伸ばしてトップを快走。後半は5メートルを沈めた12番からは2連続バーディ。最終18番で初めてパーオンを逃したが、4メートルのパットをねじ込み、ノーボギーラウンドを決めた。
この日のラウンドを「ショット、パットとも安定していて、大きなミスはほとんどなかった」と振り返る。しかし、最終ホールでキャディに言われるまで、17ホールでパーオンに成功したことに気付かなかったという。「思い返しても、全然どういう風にやっていたか分からないくらい、その瞬間、瞬間で集中できていた。いい精神状態だったと思います」。タイでの自動車事故の影響をみじんも感じさせないプレー、精神面の強さを発揮している。
さらにホールアウト直後、宮里から2打差、17アンダーの単独2位でフィニッシュしたはずのステーシー・ルイスのルール違反が、テレビ視聴者からの指摘により発覚した。16番の第2打、ショット前にラインを確かめるためにバンカーに入ったキャディの足の動きが、ハザード内での砂の状態をテストしたとみなされた(ゴルフ規則13-4)。この結果、アテスト前のビデオ確認を経て2ペナルティが科せられ、同ホールはパーからダブルボギーに。ルイスは通算15アンダーとなり李知映(韓国)と並び通算15アンダー。4打差となり、藍にとっては追い風が吹いた。
同大会は、LPGA設立に携わった13人の創設者を讃えて2011年に新規開催。ツアーの意志を未来に継承していく思いが込められている。「特に、(創設者の一人である)シャーリー・スポックさんは、去年(プロアマで)回って、昨日もカートで前半ついたりしてくれて、すごくありがたく思う。とても不思議な気分になりますね」と話す藍。「彼女たちがLPGAを設立してくれなかったら、今の私、いないですし。18番で待っているのを見ると、ちょっと泣けてくるんですよ」。
コースとの相性はやはり良く、昨年大会でも3日目を終えて首位タイだった。最終日にヤニ・ツェン(台湾)に振り切られ2位に終わったが、惜敗は繰り返さない。「今日一回、最終組でプレーして、自分の中で明日のイメージはできている。本当に自分らしくできれば、たぶん大丈夫だと思います」。節目の米ツアー通算10勝目がカウントダウンに入った。