日本勢初の「ベアトロフィ」へ 逆転奪取を狙う古江彩佳「自分は上げていくしかない」
◇米国女子◇CMEグループ ツアー選手権 事前(19日)◇ティブロンGC ゴールドコース(フロリダ州)◇6700yd(パー72)
年間表彰タイトルのひとつ、シーズン平均ストロークトップの「ベアトロフィ」は、通算70ラウンド以上(個人のストロークプレー60ラウンド以上回っていれば、残りがダブルス、マッチプレー、パリ五輪などのラウンド数でもOK)という条件をクリアしないといけない。しっかり試合に出て、高いパフォーマンスを続ける―。ゴルファーなら誰もが憧れる、日本勢未到の勲章だ。
古江彩佳は今季22試合に出場して計85ラウンドを回っており、現時点で全体4位の「70.05」。「69.54」で1位のアタヤ・ティティクル(タイ)と「69.66」で2位のネリー・コルダは規定ラウンド数不足のため、タイトル獲得のターゲットは「69.98」で3位のユ・ヘラン(韓国)。逆転には、今季ラスト4ラウンドで通算15アンダー以上が目安になる。
古江は年間ポイントランク上位60人による今大会にルーキーイヤーから3年連続で駒を進めた。大会自己最高16位だった昨年は通算13アンダー。1年前より144yd伸びたコースに「ちょこちょこと、グリーンを狙うのが難しいホールがある。ちょっと(計算を)間違えれば外に出ていくグリーン。アゴの高いバンカーも多いので、ティショットの置き場も気にしながら、落としどころを考えてやりたい」と攻略のイメージを描いている。
2週前の「ロッテ選手権」後はハワイに残った。「イルカを見て、久しぶりに泳いでシュノーケリングもしました」。心身ともにリフレッシュして、17日の日曜日に現地入り。大きなタイトルを前に「いい緊張感の場所にいられていることはすごくうれしいし、プレッシャーがかかる場面って少ない。その中でしっかり乗り越えていければ」と闘志を燃やす。追う立場に「自分は上げていくしかないので、(ベアトロフィは)あまり気にしすぎず。このコースにしっかり対応していければ」と邪念を払って挑む。
今年は7月「エビアン選手権」で日本勢4人目のメジャー制覇を成し遂げたが、それも1月の初戦「トーナメント・オブ・チャンピオンズ」の4位を皮切りに16試合で8度のトップ10という好成績を続けた賜物だった。「最初に頑張ったからこの位置にいられているとも思うので、最後もしっかり集中して。また上位争いをしていければ」。2日後に開幕する最終戦への意気込みを口にした。(フロリダ州ネープルズ/石井操)