日本勢初のベアトロフィなるか “本命”古江彩佳「目指さないわけにはいかない」
◇米国女子◇BMW女子選手権 事前(16日)◇水原バレーCC (韓国)◇6680yd(パー72)
米女子ツアーの年間表彰式に当たる「ロレックスアワード」では、プレーヤー・オブ・ザ・イヤー(年間最優秀選手)などとともにシーズン平均ストローク1位がベアトロフィとして主要タイトルに位置付けられている。7月「アムンディ エビアン選手権」でメジャー初制覇を遂げた古江彩佳は、現在平均ストローク「70.06」。ランキング3位ながら同レースで“本命”ともいえるポジションなのは、ツアー規定とも関連がある。
ベアトロフィに輝くためには年間70ラウンド(R)を消化する必要があり、目下1位(69.89)のアタヤ・ティティクル(タイ)はシーズン序盤に左手親指のけがで出遅れた影響で50Rにとどまる。70R到達には今週を含めた残り6試合のうち5試合の完走が求められるものの、2週後の「TOTOジャパンクラシック」には出場せず、翌週「ロッテ選手権」も現在エントリーしていない。2位(69.92)のネリー・コルダも、ここまで52R。このアジアシリーズ4試合は首の故障もあって全て欠場することが決まったため、届かない計算だ。
古江はすでに72Rをプレーして第一関門をクリア。エビアンに続くシーズン2勝目を狙う過程でベアトロフィも結果としてついてくるものと考えつつ、やはりタイトルへの意欲がにじむ。
「しっかり(目の前の試合に)集中すればついてくるだろうし、せっかくの位置なので目指さないわけにもいかないと思います」。日本ツアー時代も含めて自身初の平均ストローク60台をマークできれば、ランク4位以下のライバルたちとの争いもがぜん有利となる。「頑張って、毎日60台を出さないと」とモチベーションは高い。
1988年に平均ストローク1位(70.92)だった岡本綾子は、ラウンド数が足りずにベアトロフィを逃している。前週の国内ツアー「富士通レディース」でプレーオフまで戦い抜いた日曜の深夜には韓国に飛び、月曜からコースチェックをして大会に備えてきた古江。タフネスとスキルを兼ね備えた24歳にふさわしい日本勢初の快挙へ突き進む。(韓国・坡州市/亀山泰宏)