「昔はもっと…」 鈴木愛の劇的変化を導いたメーカー担当者のひと言
◇日米女子ツアー共催◇TOTOジャパンクラシック 初日(3日)◇瀬田ゴルフコース 北コース(滋賀県)◇6616yd(パー72)
直近の日米共催だった2019年大会覇者の鈴木愛がボギーなしの7バーディ「65」で回り、上田桃子と並ぶ7アンダー首位で滑り出した。それでも最終18番(パー5)のバーディパットがカップの手前数センチで止まって入らず、「アプローチしようがパターしようが、全部惜しい。10アンダーぐらいは余裕で出していけたような感じ」と悔しさすらにじんだ。
今季はコーチをつけていたが、9月「日本女子オープン」を区切りに再び独り立ちをして終盤戦に臨んでいる。「試合に入ると何が悪いか聞けないから、自分で修正していかないといけない」。決心を固め、自分と向き合うようになって少しずついい方向に向かっているという。
「ここ3週間、スライスラインの調子が良くなくて、全てラインに乗る感じがなかった」というグリーン上にも劇的な変化を感じている。きっかけは契約するピンのスタッフが漏らしたひと言だった。「昔はもっとフォローを出していたよ」-。パター自体を変えて復調のきっかけをつかもうとしていた中、改めて過去の動画も見比べた。「前は振り幅『1』に対してフォローも『1』か少し大きいぐらいだったけど、(今は)全然フォローが出ていなかった」と違いに気付くことができた。
前半4番で2.5mを決めると、6番では10mのロングパットを沈めてバーディ。8番は4m、9番も2mとバーディを積み重ねていった。この日のパット数は「26」。序盤で「インパクト時に左腰が開いている」と感じたショット修正もはまり、スコアに直結した。
今大会には日本ツアーからメルセデスランキング上位35人(3週前の富士通レディース終了時)までしか出場できないが、鈴木は36位だった。米ツアーメンバーとして資格を得た上位選手の分の繰り上がりによって出場権をもぎ取った試合でもある。「来年に向けて調子を上げていけば、また気持ち的にもモチベーションを高くできる。残りの試合で勝ちたいし、ここで勝ちたい」。トップ選手が集う中で勝利をつかめれば、何より自信は深まる。(滋賀県大津市/石井操)