プロテストはギリギリ合格 稲見萌寧メダルまでの軌跡
◇東京五輪 女子最終日(7日)◇霞ヶ関CC東コース(埼玉県)◇女子6648yd(パー71)
稲見萌寧がリディア・コー(ニュージーランド)とのプレーオフを1ホール目(18番パー4)で制して銀メダルを獲得した。ゴルフ競技としては男女通じて日本勢初のメダル獲得までの軌跡を追った。
2018年7月 ギリギリでプロテスト合格
チェリーヒルズゴルフクラブ(兵庫県)で開催された女子ゴルフ最終プロテストを通過した。初めての受験だったが、合格ラインギリギリの通算8アンダー。「最終ホールまでドキドキしてました。本当に合格できてよかった」と話した。渋野日向子、原英莉花も同じタイミングでプロの仲間入りを果たした。プロデビュー戦となった同年8月「NEC軽井沢ゴルフトーナメント」で11位。世界ランキングは491位だった。
2019年7月 涙のツアー初優勝
「センチュリー21レディス」(埼玉・石坂GC)で5バーディ、3ボギー「70」でプレーし通算9アンダー。ツアー初優勝をあげた。翌日が20歳の誕生日を迎えるだけに「こみ上げてくるものがありました。こんな最高の誕生日プレゼントはないですね」とうれし涙を流した。世界ランクは97位に浮上、トップ100入りした。
2020年8月 海外メジャー初参戦
コロナ禍も「AIG女子オープン」(全英女子オープン、スコットランド・ロイヤルトゥルーンGC)に参戦。辞退者が出たことで巡ってきた初の海外メジャーは「人生初と言えるくらいの難しさ」と振り返った。「77」「79」で2日間を終えて、通算14オーバー予選落ちの結果に終わった。世界ランクは65位。
2021年5月 ツアー記録の13バーディで7勝目
「中京テレビ・ブリヂストンレディス」でツアー7勝目をあげた。初日が悪天候中止となり、36ホールの短縮競技となったが、2日目にツアー記録となる13バーディを奪取。2位に6打差をつけて圧勝した。「『もっともっと』というふうに欲を出して、全ホールバーディを獲る勢いで回っていた。自分でまた記録を塗り替えたい」と話した。世界ランクは前週31位から22位に浮上し、五輪出場圏内の日本勢2番手となった。