渋野日向子10月まで海外専念 「全英」から直接渡米
渋野日向子は6日、リモートで記者会見し、連覇の懸かる「AIG女子オープン」(全英女子、スコットランド・ロイヤルトゥルーンGC)後に英国から直接渡米して、10月まで米ツアーに専念する予定を明かした。この間の日本ツアーは欠場する。
後悔しない選択を―。コロナ禍で出場日程の大幅な見直しを求められた渋野は、たびたびこう口にしてきた。帰国時に2週間の自主隔離が必須となり、メジャー大会に合わせて日本と海外を行き来する当初のプランは不可能になった。
「2021年のアメリカツアーに出るために20年は準備の年。Qスクール(予選会)がなくなって優勝するしかない。いまの自分はアメリカで頑張りたい。自分の思いに嘘をつきたくなかった」。熟考の末、7月末に決断した。
地元岡山で無観客開催される「日本女子プロゴルフ選手権」(JFE瀬戸内海GC)や「日本女子オープン」(福岡/ザ・クラシックGC)を欠場する。「本当に悩んで、考えて、考えて、考えました。地元で頑張りたいという思いはあった」。ただ、前年にチームで立てた究極の目標「5大メジャー全制覇」は渋野自身の夢でもある。
「いまゴルフをしているのは、自分のためじゃなくて人のためにだと思う。自分がいろんなことを達成すると喜んでくれる人たちがいる。全英に勝ったことでいろんな人に影響を与えられた。あと4つ。もっと違う景色を見てみたいし、いろんな人に喜んでもらいたい」
お菓子だけのスーツケースも
まずはディフェンディングチャンピオンとして臨むAIG女子オープンとその前週の「ASIスコットランド女子オープン」(ルネッサンスC)へ向け、近く渡英する。慣れないリンクスコースで、キャディを務める青木翔コーチと2人だけでの連戦。たくさんの感染対策用品とともに、スーツケースのひとつはお菓子だけで埋めた。
その後、スコットランドから米国に移動。現時点では、9月10日に開幕する「ANAインスピレーション」(カリフォルニア州ミッションヒルズCC)、10月8日からの「KPMG女子PGA選手権」(ペンシルバニア州アロニミンクGC)の海外メジャー2試合しか出場権はない。その間に挟まれる米ツアー4試合の推薦出場も狙うという。
「日本で戦っていても、世界で戦っていても、私は全く(昔と)変わらないです。全英で2連覇できるのは私だけだけど、大変な思いをしている方がたくさんいる。私のプレーで勇気や笑顔を与えられたら」。しばし日本を離れ、「世界のシブコ」を再び見せる。