国内男子ツアー

<昨年は、最高の締めくくりで迎えた新年、尾崎直道の胸にいま沸き上がる思いは・・・>

2013/01/07 10:24
ロイヤルトロフィで歓喜にわくアジアチーム。

新年明けましておめでとうございます!いつも応援してくださっているファンのみなさまには、今年もジャパンゴルフツアーをなにとぞよろしくお願いいたします!

さて迎えた2013年。第1回目は“キャプテン・ジョー”の話題をひとつ。2006年から2011年まで主戦場としてきたチャンピオンズツアー(米シニアツアー)を撤退して「日本のレギュラーツアーとシニアツアーに専念する」と宣言して昨シーズンに臨んだ“ジョー尾崎”こと尾崎直道。レギュラーツアーでは捗々しい成績を挙げることはできなかったが、年間2勝を挙げたシニアツアーでは見事賞金王に輝き、さすが永久シード選手という貫録を見せた。

もっとも、それは決して楽々と手にしたタイトルではなかった。6月に開幕したシニアツアー「スターツシニア」では、初日67、2日目68とベストスコアを叩き出し首位を独走したものの、2位に4打差をつけて迎えた最終日には73と崩れ、追い上げる奥田靖己を1打差で振り切る薄氷の勝利だった。これが尾崎にとってシニア初優勝。自身の優勝歴からしても、2005年の「中日クラウンズ」以来の勝ち星だ。

「今考えると、レギュラーツアーに出ても予選落ちが多かったから、そういうのを振り払おうという気持ちがあって、とにかく結果を出して自信をつけたいと思っていたのかもしれませんね」と尾崎は振り返る。

そして2勝目は9月に開催された「コマツオープン2012」。今度は最終日に追いついてプレーオフでの勝ちだった。この辺りから、賞金王の期待が高まって来る。尾崎本人の期待ではなくて、周囲からの声だ。「自分が賞金王を獲りたいと言うよりも、そういう周囲の期待に応えたいと思う自分がいたんですよ」と尾崎。だが、その思いは空回り。以後なかなか成績が出せない。

10月に行われた2つの国内シニアのビッグタイトル「日本プロシニア」「日本シニアオープン」では12位タイ、32位と低迷。賞金レーストップの座は維持していたものの、最終戦の「富士フイルムシニア」を前にして、フランキー・ミノザを筆頭に、逆転で賞金王になれる可能性を残した選手が3人もいる混戦になってしまった。

「日本シニアオープンあたりからゴルフの調子がいまひとつ。ゲームをやっているうちに自分が勝手に変わってくれることを期待したい」と初日に臨んだ尾崎だったが、首位と4打差の9位タイと出遅れてしまった。しかしそこからが“マムシのジョー”と呼ばれた尾崎の真骨頂。最終日に追い上げて2位タイでフィニッシュ。がっちり賞金王を掴み取った。

「ほのぼのとした嬉しさだね」と尾崎は国内専念の成果を噛みしめるように、賞金王獲得の感想を語ったものだが、喜びの連鎖が始まったのはここから。

12月は国内シーズン最後のイベント「Hitachi 3tours Championship」で、尾崎は我らがジャパンゴルフツアーはJGTOの最大のライバル・・・!!シニアはPGAチームのキャプテンとして、3年ぶりのタイトルを奪還したばかりかMVPにも輝いた。

さらに、こちらは5年連続5度目のキャプテンを務めたアジア対欧州の対抗戦「ザ・ロイヤルトロフィ」でも強豪ヨーロッパを逆転で蹴散らし、アジアに3年ぶり2度目の王冠をもたらして、まさに年の暮れまでキャプテン・ジョーの笑いは止まらなかった!!

国内専念で臨んだ2012年は、特に収穫の多い1年となったが尾崎が56歳でもまだ頑張れる秘訣は故障がない体作りを一番の目的に、地道に続けてきたトレーニングによるところが大きい。中でもレギュラー時代から始めた水中ウォーキング。ランニングでは膝や足首、アキレス腱などを痛めやすいが、水中ならそうした危険が少ないと、尾崎は言う。プールの中を歩きながら体を捻ったり、股を高く上げたり。水の抵抗を利用した体に優しいトレーニング法は、我々アマチュアゴルファーにも大いに参考になりそう。

今年もまた賞金王に、という期待が集まる中で、「今年は少し走ってみようかなあ」と思案するなど、キャプテン・ジョーには新年早々からさらなるパワーアップに気持ちが動いているようだ。・・・シニアの星、恐るべし!!