<18歳のルーキー、川村昌弘が戸惑ったプロ初体験とは・・・>
5月の「とおとうみ浜松オープン」は、新人の藤本佳則が優勝争いを繰り広げて、JGTO発足後としては最速の初Vか、と話題になったがこちらのルーキーも負けてはいない。
18歳の川村昌弘は、開幕からこれまで6試合のフル参戦で、予選落ちゼロ。2戦目の「つるやオープン」では3位に食い込む活躍に、獲得賞金は早くも1,000万円(5月26日時点)を越えようかという勢いだ。
藤本のような爆発的なイメージはないが、コツコツとプレーして、いつの間にか上位にいるタイプ。ハキハキと威勢の良いコメントをする藤本も小気味が良いが、とつとつとした川村の語り口もまたいい。藤本の22歳とは思えない貫禄ぶりもさることながら、川村の物腰もまた、まだ10代とは思えないくらいの落ち着きがあって、ついこの春に福井工業大学付属福井高校を卒業したばかりであることを忘れてしまいそうになるが、「ああ、やっぱり18歳だ」と、実感する出来事が先月にあった。
デビューから3戦目の「中日クラウンズ」で、“ジュニアレッスン会”に参加することになったのだが、本人が戸惑ったのも無理はない。何せ“生徒”は、自分とさほど年齢の違わない子たちばかりだ。「僕だって、まだ全然子供なのに!」と、そんな自分が教える立場としてそこに参加するという違和感がまずひとつ。
それに、自身は5歳で初めてクラブを握ったころから特に、誰かに指導を受けるわけでもなく独学で腕を磨いてきた。それがいきなり生まれて初めて誰かを指導することになり、「いや、もう、僕に何が教えれられるのか」と冷や汗かきかき、「ただもう“ナイスショット!”とか、そんなことを言うしか出来なくて。あんなので、本当に良かったのかどうか」と、恐縮しきりだった。
本人には不完全燃焼に終わった初のレッスン会も、「技術的なことは専門的な方に任せるとして、今回はただ楽しんでもらえればいい」と、その点ではきっぱりと割り切ることにして、その代わりに「将来、川村プロに教えてもらったというプロが、出て来たらいいですね」と、いっぱしの自覚が出てきた。
18歳でも、40歳でも、プロゴルファーの使命は同じだ。「これをきっかけに、みんながもっとゴルフを好きになってくれれば」。そうだ、多少は不慣れでも、若いからこそより強いメッセージとして、子供たちに伝えられる何かがきっとある。そのためにも川村よ、これからもっともっと、大きく羽ばたいてゆけ・・・・・!!