<ぴちぴちパンツに四苦八苦した日本代表メンバーの2人とは・・・>
日本の歴史的勝利で幕を閉じた先の「現代キャピタル招待 韓日プロゴルフ対抗戦」。日に日にチームワークは高まって、3日間とも息の合ったゴルフで日本に勝利を持ち帰った10人の侍たち。本戦では大会側が用意した揃いのユニフォームに身を包み、それがまた選手たちの結束力を強くしたのは違いないとは思うのだが、体形や好みはまさに十人十色。3日間限定の即席ウェアは当然のことながら、10人が10人とも満足のいく着心地、とはいかなかったようで・・・。
もぞもぞと、最後まで居心地悪そうだったが池田勇太だ。ご存知のとおり、昭和の香りのする3タックのダボダボパンツをこよなく愛する24歳は、ユニフォームが割と今風のスリムパンツだったものだから、落ち着かないったらない。特に、パッティングのラインを読むときなど、かがんだときの窮屈さは、もともと慣れていないものだから、なおさら気持ち悪いったらない。
それは、いつものスタイルを見慣れたファンにとっても同じらしく、はるばる日本からやってきたギャラリーも、ついロープ越しに声をかける。「勇太くん、今日は3タックじゃないんだねえ」と言われて、本人はたちまち顔をしかめた。「仕方ないよ。決まりだもん。でもやりにくくって仕方ないよ!」。
初日はホールアウト後の会見でも、その話題が飛びだした。「スリムパンツでのプレーはどうでしたか」と聞かれて、苦笑いでマイクを握った。「窮屈といえば窮屈。やりにくいと言ったら、やりにくい。もし今日、負けたらこれのせいにしようと思っていましたが、勝ちましたので何も言いません!」と笑わせた。初日から片山晋呉と2日連続のペアで、2連勝を持ち帰っただけに、言い訳にはならなかったようだ。
そして悲鳴を上げた選手がもう一人。20歳の新鋭、薗田峻輔だ。初日のフォアサム戦を終えるなり、冷や汗をかいた。「やべえ、ケツ破れてる・・・」。事前に採寸をしたにもかかわらず、若干ぽっちゃり体形の薗田には用意されたパンツが窮屈で、前日のうちに急遽、もうひとまわり上のサイズに取り替えてもらったのだが、それでもダメだった。ペアを組んだ石川が、笑いをこらえて振り返る。「今日は、朝の練習からびりびりという音がしていました。そのままプレーを続けたので“傷口”が広がったんですね」。
しかし石川も言ったように、その日のマッチはそんなハプニングに「反比例」して李丞鎬(イスンホ)&孫準業(ソンジュンオプ)の韓国ペアに、4打差の圧勝をした。杉並学院高のOBペアは、コンビネーションもバツグンに、チームに貢献。お尻の“穴”も、栄誉の“負傷”だ。