ツアープレーヤーたちのこだわり<近藤智弘>
昨年夏ごろから トーナメント会場でも“ノータックパンツ”が流行のきざしです。ノータックパンツとは文字どおり、ウェスト部分に余分なタックのついていないズボンのこと。腰まわりからすそ部分までほとんどズボン幅が変わらず、まっすぐにストンと落ちるシルエットは、街着の延長でゴルフウェアを着たい、とのぞむ若者層に特に好まれ、徐々に浸透しつつあります。
そもそも、このノータックパンツの流行をいちばん最初にツアー界に持ち込んだのは近藤智弘と矢野東でした。タイトなシルエットに、腰ではくローライズのデザイン。従来のゴルフウェアからすれば、かなり斬新なスタイルの2人がコースに現れたときは、けっこう話題を呼んだそうです。
「確かに、ウェアのデザインについてもかなり反響があったんですが、それよりもまず、いちばんみんなに言われたことが、『コンちゃん、痩せた?』というものでした」と、振り返るのは近藤です。もともとスリムな体格に、タイトなシルエットのウェアを着ることで体型がますます強調されて見えたらしく、実際はまったく体重は変わっていないのに、「どこか体が悪いんじゃないか」などと、当時みんなに心配されたとか。
矢野君とはトーナメント会場で新作の品評会をしています
「ますます華奢に見えてしまって、最初は失敗したかな・・・とも思ったんですけど、でもだんだん、それもアリかなって思うようになりました。だって心配されるほど痩せているにもかかわらず、ゴルフは飛ばすってかなりインパクト強いでしょ? 存在をアピールできるかなって」
ところで、近藤のパンツは、実はイタリアの一流ブランド、アルマーニの服と同じ型紙なんだそうです。普段はいている大好きなジーンズの形を、ゴルフウェアでもなんとか再現できないものかと、近藤自らメーカーに持ち込んで試行錯誤を重ねたのだとか。最初に出来上がったサンプルはあまりにスリムすぎてパッティング時にかがむことさえできず、失敗作に終わりましたが、その対策として生地にストレッチ素材を入れたり、さらにウェスト位置や、内側でもたつかない外付けポケットにしたりと、細部にまで工夫をこらして現在のデザインが完成されたそうです。
「以前着ていたウェアは、日によってはまったく同じものをほかの選手も着ていたり、シルエットも、みんなと同じようになってしまうのが、なんか嫌だったんです。
それに、一般的にゴルフウェアって、標準サイズのMを着ていてもどこかダボついてて、ずっとオジサンくさく感じてたんですよね。いまはパンツのデザインに合わせて、ポロシャツも丈や身幅をぐっと絞ってあるから、服によってはSS相当のサイズを着ていることもある。・・・え? そんな服でプレーしにくくないかって? ぜ~んぜん。むしろもたつかず、以前より動きやすくなったくらい!」。
同じく、ノータックパンツを愛用している矢野とは、新しいデザインのパンツをはいて会場で会うたびに、「それ、なかなかいいじゃん」などと互いに品評会をしているそうです。
「今年は、昨年までのデザインにさらに改良を加えて、パンツの脇線にステッチを入れたり、ボタンをカラフルな色にしたりますます楽しんでます」と話す近藤は、このオフに結婚するなど、今年は心機一転の年でもあります。
トーナメントで起こったルール裁定の実例
<つるやオープン編>
「携帯しても良いが、ラウンド中使用すると競技失格ですよ!」
3日目、スタート前に競技委員に確認して事無きを得た。
プレーヤーの質問は、「野球のバットを持ち歩き、途中待ち時間があるときに素振りをしても良いか?」との事でした。競技委員からの答えは、「規則14-3」人工の器具と異常な用具の「a」に記載してある「プレーする上でプレーヤーの援助になるようなもの」に抵触するもので、ラウンド中使用すると競技失格となる事を伝えた。プレーヤーは、持ち歩いてうっかり使用してしまう事を踏まえて、キャディにロッカーに置いて行くように指示した。
読者の皆さん、加重ヘッドカバーやドーナツ型の重りなどをお持ちの方いませんか?
ラウンドの途中、ティインググラウンドで待ち時間があると体を温める目的などで素振りをしますが、そのときにその様な物を使用すると競技失格となります。トレーニング用具やスイング補助具は必ずロッカーや車に置いてスタートするようにしましょう。