2022年 全英オープン

R&A最高責任者もLIVゴルフを非難「完全にお金によって動かされている」

2022/07/14 06:26
会見したR&Aの最高責任者、マーティン・スランバーズ氏(Oisin Keniry/R&A/R&A via Getty Images)

◇メジャー第4戦◇全英オープン 事前(13日)◇セントアンドリュース オールドコース(スコットランド)◇7297yd(パー72)

R&Aの最高責任者、マーティン・スランバーズ氏が150回記念大会に関して行った会見の中で、サウジアラビアの資金を背景にグレッグ・ノーマン(オーストラリア)が主導する新リーグ「LIV招待」を厳しく非難した。

スランバーズ氏は記者会見に先立ち、R&Aの目的が50年後にゴルフが繁栄していること、草の根からプロのゲームまですべてのレベルで強いゴルフを維持することだとする一方で、LIV招待の出現によって男子プロゴルフが直面している混乱と影響を憂慮。「ゴルフを成長させるためであるという(LIV側の)コメントは信用できず、むしろ、私たちが改善しようと懸命に努力しているこのスポーツの印象を悪くしていると思う」と話した。

LIV招待は予選落ちがなく、参加選手全員に賞金が配当される仕組み。同氏は「プロゴルファーには、どこでプレーするか、賞金をもらうか、選ぶ権利がある。そのことに全く問題はない」としたうえで、「しかし、タダ飯というものはない。(LIV招待シリーズが行われた)センチュリオンやパンプキンリッジで見られたモデルは、スポーツ全体の長期的な利益にはならないし、完全にお金によって動かされていると思う。ゴルフを特別なものにしている実力主義の文化やオープンな競争の精神を損なうものだ」と批判した。

会見では今大会はすでに出場資格のある選手を排除しないとして、LIV招待参戦組のフィル・ミケルソンをはじめ、ブライソン・デシャンボーパトリック・リードら多数が出場しているが、来年の大会については予選免除や出場資格の基準を見直すことも示唆した。

また、歴代覇者のタイガー・ウッズロリー・マキロイ(北アイルランド)、ポール・ローリー(スコットランド)をR&Aの名誉会員として招待したことも合わせて発表した。

ウッズは2000年大会でキャリアグランドスラムを達成、05、06年に連覇を果たした。マキロイは14年大会で初日から首位を守る完全優勝で初制覇。53歳のローリーは1999年大会でジャン・バンデベルデ(フランス)、ジャスティン・レナードをプレーオフで下して初のメジャータイトルを獲得した。(スコットランド・セントアンドリュース/清野邦彦)

2022年 全英オープン