2018年 全米オープン

全米OPの勝敗はショートゲームが握る カギは『世界で最も短いパー5』

2018/06/11 17:13
ラフは長く伸びている

14日に開幕する全米オープンは14年ぶりにニューヨークのシネコック・ヒルズを舞台に行われます。2004年の開催時から総距離500yd近く長くなったリンクスコースでは、グリーンをとらえるショットとショートゲームの精度が勝敗を分けそうです。

多くのホールでフェアウェイは横幅40ydほどで、決して狭いコースではありません。ラフに長さはあり、入れるとパー4の2打目でグリーンをとらえることは難しくなります。8Iや9Iを握らされることも多くなります。

コース最大の難点はグリーン周り。砲台上のグリーン周辺の芝は、かなり短く刈り込まれており、ひとたびグリーンを外すとボールは下まで転がり落ちていきます。傾斜は手前や奥に向かって激しくなっており、ショットの距離感が重要になります。

ただ、南から風が吹き抜けることの多いこのリンクスでは、世界レベルのショットメーカーといえど、常にグリーンをキープできるほどやさしくはないでしょう。そのため、ショートゲーム を駆使し、粘り強く戦い切った選手にこそ、勝機があるのではないかと見ています。

実際、1980年以降に当地で行われた全米オープンを制したのはレイモンド・フロイド(通算1アンダー/86年)、コーリー・ペイビン(通算イーブンパー/95年)、レティーフ・グーセン(通算4アンダー/2004年)の3選手。“グリーン周りの達人”とも言えるショートゲームの名手たちが優勝しました。さらに04年には日本の丸山茂樹さんも4位に入る活躍をしています。

キーホールとなりそうなのは159ydの11番パー3。打ち上げホールは、4つのガードバンカーが存在し、小さなグリーンの前方は手前に向かって傾斜、後方は奥に落ちる激しい下り傾斜になります。6度のメジャータイトルを誇るリー・トレビノは、かつて同ホールを「世界で最も短いパー5」と例えたほど、難しさがあります。

コースの下見に行った5月中旬はグリーンの硬さがそれほどではありませんでしたが、本戦に向けて全米ゴルフ協会(USGA)がどのようなセッティングに仕上げるのか。風によっても勝敗が左右されます。(解説・佐藤信人

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