福嶋浩子は指導のプロ 不振脱却に向けた自分へのアドバイス
◇国内女子◇樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント 初日(27日)◇武蔵丘GC(埼玉)◇6580yd(パー72)
指導のプロフェッショナルに復調気配が漂った。福嶋浩子が6バーディ、1ボギーの「67」で回って首位と1打差の5アンダー2位につけた。賞金ランク93位と低迷しており「久しぶりに晴れて、(このスコアで)本当に嬉しい」と安堵の表情を見せた。
昨年ツアー初優勝を挙げた遅咲きの40歳は、長年相次ぐケガに苦しんでいる。「右手の薬指は長く治療して大丈夫になった」が、今は首のヘルニアが悩み。「お年頃なんでね」とおどけたが、万全のコンディションでは戦えない日々だ。
今シーズンのトップ10入りはいまだゼロ(昨季は3回)。不振も故障から始まり、極度のショット不振に陥った。「痛い部分をかばおうとして、前のめりになって構える。そうすると、バックスイングを上げにくかった」と分析する。
要因を突き止めたベテランはどうしたか。『ティーチングプロフェッショナル資格A級』を所持する福嶋は、自身がアマチュアに指導するときにかける言葉を思い返した。
「アマチュアのバックスイングが上がりにくいという方に(自分は)何と言って指導しているんだろうって? 『右足を少し引いて、右足のつま先を少し開いて』と言うんです。だから私もそれをやってみようと」
右足を引いて構えると問題は解決し、ここ数試合で見違えるほどショットの改善を感じた。この日の前半13番では左ラフからの残り144ydを7Iで1mに止め、 後半2番では2打目を9Iで1mにつけてともにバーディ。「疲れてきたときに右足に重圧が乗ると左に出るミスが増える」と課題を残すが、「すごく(スイングは)楽になった」と笑顔で語った。
賞金ランク50位以内の来季シードは遠く、現実的な目標は「正直言って、気持ちは予選会(QT)に向いている。いまの状態で優勝やシードを目指すと(調子が)逆戻りになるかもれない」と最終予選会(11月28日~)に目を向けるが、「飛ばし屋有利の舞台でも(このスコアで)回れた。半歩でも前に進めれば良いと思う」と、うなずいた。(埼玉県飯能市/林洋平)