2017年 スタンレーレディス

キャディの顔面蒼白ミスで1罰打 吉田弓美子はピンチ乗り越え逆転V

2017/10/08 19:47
川口大ニキャディと喜ぶ吉田弓美子

◇国内女子◇スタンレーレディスゴルフトーナメント 最終日(8日)◇東名CC (静岡)◇6589yd(パー72)

思わず目を疑った。12番でバーディを奪い、勢いに乗る13番5mのバーディパット。吉田弓美子はマーカーを置いてボールを取り上げ、カップの反対側に移動してラインを読んでいた。そのとき、なぜか川口大ニキャディがボールをマーカーの後ろに置いて、マーカーをピックアップした。

ボールを正確な位置に戻さなかったことになり、吉田は自ら競技委員を呼んで1罰打を受け、ボギーとした。

「びっくりした。何が起きたのか理解できなかった。今まで経験したことがない気持ち。どうやって気持ちを立て直せばいいのかわからなかった」。首位に迫ろうとする矢先。信頼するキャディのミスに気も動転したが、空を見上げて鳥のさえずりを聞き、必死に心を落ち着かせた。

川口キャディは「初めての出来事。何もわからずマーカーを取っちゃいました」と、ありえないミスに顔面蒼白。イ・ボミ(韓国)で3度、吉田で1度の優勝を経験していたベテランの声は震えた。

しかし、14番から3連続でパーセーブ。17番で90ydから50度で3mにつけてバーディとすると、最終18番(パー5)でも91ydからPWで3mへ。バーディパットは「フックラインで難しかったが軽い気持ちで打ちました」。吉田はカップインを見届けると、心配そうに見守っていた川口キャディと喜びを爆発させた。

「ゴルフは奥が深い。キャディさんにとっても忘れられない優勝になったし、自分も身が引き締まる優勝」。ツアー通算7勝目となる30代初勝利の味をかみしめた。(静岡県裾野市/玉木充)

■ ゴルフ規則20-1 球の拾い上げとマーク(抜粋)

球の位置をマークしているときに球やボールマーカーが偶然に動かされた場合、その球やボールマーカーはリプレースされなければならない。その際、球やボールマーカーの動いた原因が球の位置をマークしたり、球を拾い上げる行為そのものに直接的に結びつけられるときは、罰はない。それ以外のときは、プレーヤーは規則20-1または規則18-2により1打の罰を受ける。

最終18番でバーディパットを決めてガッツポーズする吉田弓美子

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